精巣上体炎(副睾丸炎)——陰嚢・精巣の突然の腫れ・激痛の原因と治療を名古屋あおいクリニック(名古屋市東区・泌尿器科)が詳しく解説

精巣上体炎(副睾丸炎)——陰嚢・精巣の突然の腫れ・激痛の原因と治療を名古屋あおいクリニック(名古屋市東区・泌尿器科)が詳しく解説

「急に陰嚢が腫れてきた・触ると激しく痛む」「陰嚢の痛みが片側だけある・熱も出てきた」「精巣の裏側(精巣上体)が腫れている気がする」「精巣捻転と精巣上体炎の違いがわからない」「性行為の後から陰嚢に違和感がある」——精巣上体炎(せいそうじょうたいえん)は、精巣の後ろに接する「精巣上体(副睾丸)」に細菌が感染し、急激な腫脹・疼痛・発熱が生じる感染症です。若年男性では性感染症(クラミジア・淋菌)が原因のことが多く、中高年以降では尿路感染症からの波及が多い疾患です。最も重要なことは、精巣捻転(せいそうねじれ:精巣の血流が遮断される緊急手術が必要な疾患)との鑑別です。「陰嚢が急に腫れて痛い」という症状は、精巣上体炎でも精巣捻転でも起きるため、泌尿器科の緊急受診が必要です。名古屋市東区の泌尿器科・名古屋あおいクリニックが、精巣上体炎の原因・症状・精巣捻転との鑑別・抗菌薬治療まで、わかりやすく詳しく解説します。


目次

  1. 精巣上体とは——解剖学的な位置と役割
  2. 精巣上体炎(副睾丸炎)とは
  3. 精巣上体炎の原因——年齢による違い
  4. 精巣上体炎の症状——急性発症・片側性が特徴
  5. 精巣上体炎と精巣炎の合併(精巣上体・精巣炎)
  6. 【最重要】精巣捻転との鑑別——見逃してはいけない緊急疾患
  7. 精巣上体炎の診断——超音波検査・尿検査・血液検査
  8. 精巣上体炎の治療——原因別の抗菌薬選択
  9. 【若年者・性感染症由来】クラミジア・淋菌への治療
  10. 【中高年・尿路感染症由来】大腸菌等への治療
  11. 慢性精巣上体炎——痛みが長引く場合
  12. 精巣上体炎を放置するとどうなるか——男性不妊との関係
  13. よくある質問(FAQ)
  14. 名古屋あおいクリニックでの診療について

1. 精巣上体とは——解剖学的な位置と役割

精巣上体の場所と機能

**精巣上体(epididymis)**は、精巣(睾丸)の後ろ側に接している細長い管状の器官です。精巣で作られた精子が精巣上体を通過しながら成熟し、射精管へと運ばれます。

精巣上体は3つの部分(頭部・体部・尾部)に分かれており、炎症は尾部(精巣の下部後面)から始まることが多いです。


2. 精巣上体炎(副睾丸炎)とは

**精巣上体炎(Epididymitis)**は、精巣上体に細菌が侵入・感染することで急激な炎症が生じる疾患です。「副睾丸炎(ふくこうがんえん)」とも呼ばれます。

特徴:

  • 多くは片側性(両側に同時に起きることは少ない)
  • 急性発症(数時間〜数日で急激に悪化する)
  • 10〜35歳の若年層と50歳以上の中高年に多い(原因が異なる)
  • 適切な抗菌薬治療で改善できる

3. 精巣上体炎の原因——年齢による違い

精巣上体炎の原因菌は年齢によって大きく異なります。これが治療薬の選択に直結するため、年齢・性行為歴が診断において重要です。

若年者(35歳以下)——性感染症由来が多い

クラミジア・トラコマティス(最多): 性感染症(STI)として尿道炎を引き起こし、尿道から精巣上体に逆行性に感染します。無症状の尿道クラミジア感染が精巣上体炎として最初に症状が出るケースも多いです。

淋菌(Neisseria gonorrhoeae): クラミジアに次ぐ原因。淋菌性尿道炎から精巣上体炎に進展します。

中高年(35歳以上)——尿路感染症由来が多い

大腸菌(Escherichia coli)・腸内細菌科: 前立腺肥大症・排尿困難・尿道狭窄・カテーテル使用等の尿路の問題がある中高年に多い。尿路感染症(膀胱炎・前立腺炎)から精巣上体に感染が波及します。

緑膿菌・腸球菌等: 免疫低下患者・医療処置後に起きることがある。


4. 精巣上体炎の症状——急性発症・片側性が特徴

局所症状

  • 陰嚢の腫脹: 片側(多くは左側)の陰嚢が急に腫れる
  • 精巣上体の圧痛: 精巣の裏側・下部を触ると強い痛み
  • 熱感・発赤: 陰嚢皮膚が赤く・熱く感じる
  • 陰嚢の重さ・引っ張られる感じ: 歩行時・立位で悪化

全身症状

  • 発熱(37.5〜39℃)
  • 倦怠感・関節痛
  • 悪寒(重症例)

症状の進行

精巣上体炎は通常数時間〜数日かけて徐々に悪化します(精巣捻転は突然・急激に悪化することが多い)。また、発症前に尿道炎の症状(排尿時の違和感・尿道分泌物)があった場合は性感染症由来の精巣上体炎を強く疑います。


5. 精巣上体炎と精巣炎の合併(精巣上体・精巣炎)

精巣上体の炎症が精巣本体にまで波及した状態を**精巣上体・精巣炎(Epididymo-orchitis)**と呼びます。

特に**ムンプスウイルス(おたふくかぜ)**による精巣炎は、思春期以降に感染すると精巣炎を合併することがあり(ムンプス精巣炎)、精子形成能への影響(男性不妊)が問題になります。

おたふくかぜワクチンは、ムンプス精巣炎の予防に有効です。


6. 【最重要】精巣捻転との鑑別——見逃してはいけない緊急疾患

精巣捻転とは

精巣捻転(Testicular Torsion)は、精巣を支える精索がねじれることで精巣への血流が遮断される泌尿器科的緊急疾患です。

6〜12時間以内に手術で精索のねじれを解除しなければ、精巣が壊死します。

精巣上体炎と精巣捻転の鑑別ポイント

比較精巣上体炎精巣捻転
発症数時間〜数日で徐々に悪化突然・急激(数分〜数時間)
好発年齢若年者・中高年10〜25歳(思春期が最多)
発熱あることが多い初期は少ない
尿道炎症状あることがあるない
超音波ドプラ精巣上体の血流増加精巣の血流消失・減少
治療抗菌薬(内科的治療)緊急手術(開腹)

重要: 症状だけでは精巣上体炎と精巣捻転を確実に鑑別することは難しいです。「陰嚢が急に腫れて痛い」という症状があれば、精巣捻転を第一に疑って緊急受診することが原則です。


7. 精巣上体炎の診断——超音波検査・尿検査・血液検査

超音波検査(最重要)

カラードプラ超音波検査で精巣・精巣上体の血流を評価します。

  • 精巣上体炎: 精巣上体の腫大・血流増加(炎症の証拠)
  • 精巣捻転: 精巣の血流消失・減少(血流遮断の証拠)

精巣捻転の除外と精巣上体炎の確認に、超音波検査は不可欠です。

尿検査・尿培養

  • 膿尿(白血球増多)・細菌尿の確認
  • 尿培養で原因菌の同定(中高年の大腸菌性精巣上体炎)

STI検査(若年者)

  • 尿のクラミジア・淋菌NAAT(核酸増幅検査)
  • 性感染症由来が疑われる場合は梅毒・HIV検査も

血液検査

  • 白血球数・CRP(炎症の程度)
  • 重症例・発熱が高い場合の血液培養

8. 精巣上体炎の治療——原因別の抗菌薬選択

精巣上体炎の治療は原因菌に応じた抗菌薬の投与が中心です。

支持療法(全例共通)

  • 安静・陰嚢挙上(陰嚢を支持する下着・サポーター): 重力による痛みを軽減
  • 冷却(冷湿布等): 腫脹・痛みの緩和
  • NSAIDs(イブプロフェン等): 鎮痛・抗炎症
  • 重症例・高熱: 入院での点滴抗菌薬

9. 【若年者・性感染症由来】クラミジア・淋菌への治療

クラミジア由来の精巣上体炎

第一選択: ドキシサイクリン(100mg×1日2回×10〜14日間)

または

アジスロマイシン(1g単回投与後、500mg/日×10日間)

淋菌由来または混合感染の場合

セフトリアキソン(250〜500mg筋注)+ドキシサイクリン(10〜14日間)の併用

重要:パートナーの同時検査・治療

性感染症由来の精巣上体炎では、パートナーのSTI検査と同時治療が必須です。片方だけ治療してもピンポン感染(再感染)が起きます。


10. 【中高年・尿路感染症由来】大腸菌等への治療

大腸菌・腸内細菌科由来の精巣上体炎

経口抗菌薬(軽症〜中等症):

  • レボフロキサシン(クラビット®):1日1回・10〜14日間
  • ST合剤(バクタ®):耐性パターンに応じて

点滴抗菌薬(重症・発熱が高い):

  • セフトリアキソン・ピペラシリン/タゾバクタム等

基礎疾患への対応

中高年の精巣上体炎では、背景に前立腺肥大症・排尿困難・尿道狭窄等の尿路の問題があることが多いため、精巣上体炎が落ち着いた後に基礎疾患の評価・治療が重要です。


11. 慢性精巣上体炎——痛みが長引く場合

急性精巣上体炎が適切に治療されなかった場合、または体質的に炎症が長引く場合、慢性精巣上体炎に移行することがあります。

慢性精巣上体炎の特徴:

  • 陰嚢・精巣上体の鈍痛・不快感が3か月以上続く
  • 急性期のような激しい痛みや腫脹はない
  • 原因が同定できないことがある(無菌性精巣上体炎)

治療:

  • 抗炎症薬(NSAIDs)
  • 陰嚢神経ブロック
  • 原因が感染症の場合は抗菌薬の継続

12. 精巣上体炎を放置するとどうなるか——男性不妊との関係

精巣上体炎を適切に治療しないまま放置すると:

精巣上体の線維化・閉塞: 慢性的な炎症で精巣上体の管が瘢痕化し、精子の通過が阻害されます。特に両側性の精巣上体炎(まれ)では、閉塞性無精子症(精子が全く出なくなる状態)につながることがあります。

精巣・膿瘍の形成: 重症化すると精巣そのものへの感染波及・精巣膿瘍が形成され、手術的ドレナージが必要になる場合があります。

慢性疼痛症候群: 慢性精巣上体炎から陰嚢慢性疼痛症候群に移行することがあります。

「少し様子を見よう」という判断が、将来の男性不妊リスクを高めます。早めの受診・治療が不妊予防にも重要です。


13. よくある質問(FAQ)

Q. 陰嚢が突然腫れて痛みます。精巣上体炎ですか?精巣捻転ですか?

A. 症状だけでは確実に鑑別できません。精巣捻転は6〜12時間以内に手術が必要な緊急疾患のため、陰嚢の急な腫れ・痛みがあれば今すぐ泌尿器科を受診してください。 超音波検査(カラードプラ)で血流を確認することが診断の第一歩です。

Q. 性行為後から陰嚢に違和感があります。受診が必要ですか?

A. はい。若年者の精巣上体炎の最多原因はクラミジア・淋菌(性感染症)です。症状が軽くても、放置すると精巣上体の線維化・男性不妊につながるリスクがあります。尿のSTI検査と精巣上体炎の評価のために泌尿器科受診をお勧めします。

Q. 治療期間はどのくらいですか?

A. 一般的に10〜14日間の抗菌薬治療が必要です。症状が改善しても処方期間を最後まで飲み切ることが重要です(途中でやめると再発・耐性菌のリスク)。腫脹・疼痛の完全な消失には2〜4週間かかることがあります。


14. 名古屋あおいクリニックでの診療について

名古屋市東区にある**名古屋あおいクリニック(泌尿器科・皮膚科・内科)**では、精巣上体炎の診断・抗菌薬治療・STI検査・超音波評価に対応しています。

当院で対応できる主な内容

  • 精巣上体炎の診断(超音波検査・尿検査・血液検査)
  • 精巣捻転の初期評価・緊急病院への紹介
  • 原因菌に応じた抗菌薬処方(クラミジア・淋菌・大腸菌等)
  • STI(性感染症)検査・治療(クラミジア・淋菌・梅毒・HIV)
  • 中高年の背景疾患(前立腺肥大症・排尿困難)の評価・治療
  • 慢性精巣上体炎への継続管理

こんな方はぜひご相談ください

  • 陰嚢・精巣が急に腫れて痛い(→今すぐ受診を
  • 精巣の裏側・下部を触ると痛む
  • 発熱と陰嚢の腫脹が同時にある
  • 性行為後から陰嚢・尿道に違和感がある
  • 陰嚢の痛みが長期間(数週間以上)続いている

「陰嚢の急な腫れ・痛みは、精巣捻転(緊急手術)の可能性があります。迷わず今すぐ泌尿器科を受診してください。」


名古屋あおいクリニックのご案内

名古屋あおいクリニック 皮膚科・美容皮膚科・内科・泌尿器科・児童精神科・精神科

〒461-0005 愛知県名古屋市東区東桜2-4-1 第三コジマビル6階

【TEL】052-737-7117

【診療時間】 10:30~13:30 14:30~19:00

【休診日】不定休

【アクセス】 高岳駅より徒歩4分 新栄町駅より徒歩5分

【ホームページ】https://www.nagoya-aoi-clinic.com/ 【Instagram】https://www.instagram.com/nagoya.aoi.clinic

オンライン予約はホームページより24時間受け付けております。 皆さまのご来院を心よりお待ちしております。

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