前立腺肥大症——「尿の勢いが弱い」「夜中に何度も起きる」の原因・検査・治療薬の違いを名古屋あおいクリニック(名古屋市東区・泌尿器科)が詳しく解説

前立腺肥大症——「尿の勢いが弱い」「夜中に何度も起きる」の原因・検査・治療薬の違いを名古屋あおいクリニック(名古屋市東区・泌尿器科)が詳しく解説

「尿の勢いが以前より弱くなった」「出始めるまでに時間がかかる」「途中で途切れる」「夜中に2回も3回もトイレで起きてしまい、寝た気がしない」「排尿後もすっきりせず、残っている感じがする」「トイレを済ませた直後に下着が濡れている」——50代以降の男性からよくいただくご相談です。

これらの症状の背景には、**前立腺肥大症(BPH:Benign Prostatic Hyperplasia)**があることが多くあります。前立腺肥大症は加齢とともに増える良性の疾患で、60代男性の約6割、70代では約8割に組織学的な肥大がみられるとされます。

「年齢のせいだから仕方ない」と我慢される方が非常に多い疾患ですが、適切な治療で症状は大きく改善します。 また、放置すると尿が出なくなる(尿閉)、膀胱結石、腎機能障害といった合併症につながることもあります。

名古屋市東区(高岳駅・新栄町駅)の名古屋あおいクリニック泌尿器科が、前立腺肥大症の症状・検査・治療薬の使い分け・注意すべき市販薬まで、詳しく解説します。


目次

  1. 前立腺肥大症とは——なぜ尿が出にくくなるのか
  2. 症状は3つに分けて理解する【比較表】
  3. どのくらいの人にみられるのか
  4. セルフチェック——国際前立腺症状スコア(IPSS)
  5. 放置するとどうなるか——注意すべき合併症
  6. 前立腺がんとの違い——最も多いご質問
  7. 検査の流れ——受診したら何をするのか
  8. 治療の考え方——重症度に応じた段階的アプローチ
  9. 治療薬①:α1遮断薬——第一選択の薬【比較表】
  10. 治療薬②:PDE5阻害薬(タダラフィル)
  11. 治療薬③:5α還元酵素阻害薬(デュタステリド)
  12. 治療薬④:漢方薬・植物製剤
  13. 主な治療薬まとめ【比較表】
  14. 過活動膀胱を合併している場合
  15. 【重要】症状を悪化させる市販薬に注意
  16. 手術という選択肢
  17. 日常生活で気をつけたいこと
  18. よくある心配事Q&A
  19. 名古屋あおいクリニックでの診療について

1. 前立腺肥大症とは——なぜ尿が出にくくなるのか

前立腺は、男性だけにあるクルミ大の臓器で、膀胱のすぐ下に位置し、尿道を取り囲むように存在しています。精液の一部となる前立腺液を分泌する役割を持っています。

加齢に伴い、この前立腺が徐々に大きくなっていきます。尿道を取り囲んでいるという位置関係のため、肥大すると尿道が圧迫され、尿の通り道が狭くなります。これが排尿トラブルの直接的な原因です。

症状が起こる2つのメカニズム

① 機械的閉塞 肥大した前立腺が物理的に尿道を圧迫し、通り道を狭くします。

② 機能的閉塞 前立腺や尿道の平滑筋が緊張して収縮することで、さらに通りが悪くなります。この緊張は薬でゆるめることができます——これがα1遮断薬の作用の仕組みです。

膀胱への二次的な影響

尿を押し出すために膀胱が過剰に働き続けると、膀胱の筋肉が厚く硬くなり、少量の尿でも過敏に反応するようになります。その結果、頻尿や尿意切迫感が生じます。

つまり、前立腺肥大症では**「出にくい」だけでなく「近くなる」症状も同時に起こる**のです。この二重構造を理解しておくと、治療の組み立てがわかりやすくなります。

原因

明確な原因は解明されていませんが、加齢と男性ホルモンの関与が確実とされています。そのほか、肥満、高血圧、糖尿病、脂質異常症などのメタボリックシンドロームが危険因子として指摘されています。


2. 症状は3つに分けて理解する【比較表】

前立腺肥大症の症状は、排尿のどの段階で生じるかによって3つに分類されます。

分類いつ起こるか具体的な症状
排尿症状尿を出すとき尿勢低下(勢いが弱い)、排尿遅延(出始めるまで時間がかかる)、尿線途絶(途中で途切れる)、腹圧排尿(お腹に力を入れないと出ない)、尿線散乱(尿が散る)
蓄尿症状尿を溜めるとき昼間頻尿、夜間頻尿、尿意切迫感、切迫性尿失禁
排尿後症状排尿した後残尿感、排尿後尿滴下(済ませた後に下着が濡れる)

患者さんが最も困る症状

意外に思われるかもしれませんが、**受診のきっかけとして最も多いのは「夜間頻尿」**です。「尿の勢いが弱い」は徐々に進行するため慣れてしまいますが、夜間頻尿は睡眠を直接妨げるため、生活の質への影響が大きいのです。

夜間に2回以上起きる状態は、日中の眠気、集中力低下、そして夜間の転倒・骨折のリスクにもつながります。


3. どのくらいの人にみられるのか

  • 組織学的な前立腺肥大:60代で約6割、70代で約8割
  • 排尿症状を伴い、治療の対象となる方:50歳以上の男性の約2割程度

つまり、前立腺が大きくなっている人すべてに症状が出るわけではありません。 前立腺の大きさと症状の強さは、必ずしも比例しないのです。

「前立腺が大きい=治療が必要」ではなく、「症状で困っている=治療を検討する」——これが基本的な考え方です。


4. セルフチェック——国際前立腺症状スコア(IPSS)

前立腺肥大症の評価に世界共通で用いられているのが、**IPSS(International Prostate Symptom Score)**です。過去1か月の状態について、7つの質問に答えます。

7つの質問項目

  1. 排尿後に、まだ尿が残っている感じがありましたか(残尿感)
  2. 排尿後2時間以内に、もう一度行かなければならないことがありましたか(頻尿)
  3. 排尿中に尿が途切れることがありましたか(尿線途絶)
  4. 排尿を我慢するのが難しいことがありましたか(尿意切迫感)
  5. 尿の勢いが弱いことがありましたか(尿勢低下)
  6. 排尿し始めるためにお腹に力を入れることがありましたか(腹圧排尿)
  7. 夜、就寝してから朝起きるまでに、何回排尿に起きましたか(夜間頻尿)

各項目を0〜5点で評価し、合計0〜35点で判定します。

合計点重症度
0〜7点軽症
8〜19点中等症
20〜35点重症

QOLスコアも重要です

IPSSとあわせて、**「現在の排尿状態が今後も続くとしたら、どう感じますか」**という質問に0〜6点で答えるQOLスコアを記録します。

症状の点数が同じでも、困り具合は人によって大きく異なります。 治療するかどうかは、IPSSとQOLスコアの両方を見て判断します。当院では初診時と経過中にスコアを記録し、改善を数値で確認しながら治療を進めます。


5. 放置するとどうなるか——注意すべき合併症

前立腺肥大症は良性の疾患ですが、進行すると以下の合併症が生じることがあります。

尿閉(にょうへい)——最も注意が必要

尿がまったく出なくなる状態です。下腹部が張って強い痛みを伴い、緊急の処置(カテーテルによる導尿)が必要になります。

急性尿閉は、以下がきっかけで起こることがあります。

  • 市販の風邪薬・鼻炎薬の服用(後述。非常に重要です
  • 長時間の排尿の我慢
  • 飲酒
  • 便秘
  • 冷え

その他の合併症

  • 膀胱結石:残尿が長く続くことで結石が形成される
  • 尿路感染症:残尿が細菌の温床になる
  • 血尿:肥大した前立腺の血管が拡張し出血する
  • 水腎症・腎機能障害:尿が腎臓側に逆流し、腎機能が低下する
  • 溢流性尿失禁:膀胱があふれて少しずつ漏れ出す

「我慢していれば済む」病気ではありません。 特に残尿が多い状態が続いている場合は、症状の強さに関わらず治療が推奨されます。


6. 前立腺がんとの違い——最も多いご質問

「前立腺肥大症は、がんになりますか?」——これは診察室で最も多く受ける質問です。

結論:前立腺肥大症はがんに進行しません

前立腺肥大症前立腺がん
性質良性悪性
発生部位前立腺の内腺(尿道周囲)前立腺の外腺(辺縁部)が多い
症状早期から排尿症状が出る早期は無症状のことが多い
進行がんには変化しない転移することがある
発見方法症状・IPSS・超音波PSA検査・生検

両者は別の病気であり、前立腺肥大症ががんに変わることはありません。

ただし——「別の病気だから安心」ではありません。 前立腺がんは外腺から発生するため、早期には症状が出ません。 そして肥大症とがんは、同じ人に同時に存在することがあります。

つまり、「排尿症状がないから前立腺がんの心配はない」という考えは誤りです。

だからPSA検査が重要です

PSA(前立腺特異抗原)は血液検査で測定でき、前立腺がんの早期発見に有用です。50歳以上の男性(ご家族に前立腺がんの方がいる場合は45歳以上)には、一度の測定をおすすめしています。

なお、前立腺肥大症でもPSAは上昇します。 高値イコールがんではありません。数値と前立腺の大きさ、経過を総合して判断します。


7. 検査の流れ——受診したら何をするのか

「泌尿器科は何をされるかわからなくて怖い」という声をよくいただきます。実際には、負担の少ない検査が中心です。

① 問診・IPSS記入

症状の内容、経過、既往歴、服用中の薬(特に重要)を確認します。

② 検尿

感染、血尿、糖の有無を確認します。

③ 血液検査(PSA・腎機能)

前立腺がんの除外と、腎機能への影響を確認します。

④ 超音波検査(エコー)

お腹の上から当てるだけの、痛みのない検査です。以下を確認します。

  • 前立腺の体積(20mL以上で肥大と判断)
  • 残尿量(排尿後にどれだけ残っているか)
  • 膀胱結石の有無
  • 腎臓の状態(水腎症の有無)

⑤ 尿流量測定(ウロフロメトリー)

専用の装置に向かって排尿していただくだけの検査です。尿の勢い(最大尿流率)と排尿パターンをグラフで客観的に評価します。

⑥ 直腸診(必要に応じて)

肛門から指を挿入し、前立腺の硬さ・大きさ・表面の性状を確認します。前立腺がんの発見に有用な診察です。抵抗を感じられる方が多い検査ですが、数十秒で終わります。必要性を十分にご説明し、ご了承いただいたうえで行います。


8. 治療の考え方——重症度に応じた段階的アプローチ

重症度基本方針
軽症(IPSS 0〜7点)経過観察+生活指導。困っていなければ治療不要
中等症(8〜19点)薬物療法を開始
重症(20点以上)薬物療法。効果不十分なら手術を検討
合併症あり(尿閉、残尿多量、腎機能低下、膀胱結石、繰り返す感染)重症度に関わらず積極的な治療。手術も検討

治療のゴールは「前立腺を小さくすること」ではなく、「症状を改善し、生活の質を取り戻すこと」です。


9. 治療薬①:α1遮断薬——第一選択の薬【比較表】

前立腺肥大症の薬物療法で、最初に選択されることが最も多いのがα1遮断薬です。

作用の仕組み

前立腺と尿道の平滑筋にあるα1受容体をブロックし、筋肉の緊張をゆるめて尿の通り道を広げます。 前立腺自体は小さくなりませんが、通りがよくなることで症状が改善します。

特徴

  • 効果発現が早い(数日〜2週間で実感できることが多い)
  • 前立腺の大きさに関わらず効果が期待できる
  • 長期的な安全性が確立している

3種類の比較

一般名主な商品名特徴起立性低血圧射精障害
タムスロシンハルナール®D最も広く使用されている。バランス型少ない中程度
シロドシンユリーフ®前立腺への選択性が最も高く、効果が強い最も少ない多い(頻度高)
ナフトピジルフリバス®蓄尿症状(頻尿)への効果が期待されるやや注意少ない

主な副作用と注意点

① 起立性低血圧・めまい 血管をゆるめる作用もあるため、立ちくらみが起こることがあります。降圧薬を服用中の方は特に注意が必要です。就寝前の服用で軽減できることがあります。

② 射精障害(逆行性射精) 精液が膀胱側へ流れ込み、射精時に出ない現象です。身体に害はなく、中止すれば戻りますが、事前に知らずに驚かれる方が多いため、当院では必ずご説明しています。特にシロドシンで頻度が高くなります。

③ 【重要】白内障手術を受ける予定がある方へ

α1遮断薬を服用していると、白内障手術中に**術中虹彩緊張低下症候群(IFIS)**という合併症が起こることがあります。手術の難易度が上がるため、眼科医に「α1遮断薬を服用している(または過去に服用していた)」ことを必ずお伝えください。

服用を中止しても影響が残ることがあるため、「以前飲んでいた」場合も申告が必要です。これは見落とされやすい重要なポイントです。


10. 治療薬②:PDE5阻害薬(タダラフィル)

**タダラフィル(ザルティア®)**は、前立腺肥大症に伴う排尿障害に用いられる薬剤です。

特徴

  • 前立腺・膀胱・骨盤内の血流を改善し、平滑筋をゆるめる
  • 下部尿路症状と勃起機能の両方に働く(同一成分がED治療薬としても使用されています)
  • α1遮断薬で効果が不十分な場合の追加・変更の選択肢

注意点

  • 硝酸薬(ニトログリセリン等)との併用は禁忌です。狭心症の治療を受けている方は必ずお申し出ください
  • 頭痛、ほてり、消化不良などの副作用があります
  • α1遮断薬との併用時は血圧低下に注意が必要です

11. 治療薬③:5α還元酵素阻害薬(デュタステリド)

**デュタステリド(アボルブ®)**は、これまでの薬とは作用が根本的に異なります。

作用の仕組み

男性ホルモン(テストステロン)が、前立腺を大きくする活性型(DHT)に変換されるのを阻害します。その結果、前立腺そのものを縮小させます(20〜30%程度)。

特徴

  • 前立腺が大きい方(30mL以上)に特に有効
  • 効果発現に3〜6か月かかる(即効性はありません)
  • 長期的に尿閉や手術のリスクを低下させることが示されています
  • α1遮断薬との併用が有効

主な副作用

  • 性欲減退、勃起機能の低下、射精障害
  • 女性化乳房、乳房の圧痛
  • これらは中止により改善することが多いとされます

【重要】PSA値への影響

デュタステリドを服用すると、PSA値がおよそ半分に低下します。

そのため、前立腺がんのスクリーニングを行う際は、測定値を2倍して評価する必要があります。この点を知らずに「PSAが下がったから安心」と判断すると、がんの発見が遅れる恐れがあります。

当院では、服用開始前にPSAを測定し、以後の解釈について必ずご説明しています。

取り扱い上の注意

妊娠中またはその可能性のある女性は、カプセルに触れないでください。 皮膚からも吸収され、男児胎児の生殖器の発達に影響する可能性があります。ご家族に該当される方がいる場合は、保管方法にご配慮ください。


12. 治療薬④:漢方薬・植物製剤

症状が軽い方、西洋薬の副作用が心配な方、併用したい方に用いられます。

薬剤特徴
八味地黄丸(はちみじおうがん)加齢に伴う排尿トラブル、腰の重だるさ、冷えを伴う方に
牛車腎気丸(ごしゃじんきがん)八味地黄丸に加え、下肢のしびれ・むくみがある方に
エビプロスタット®植物由来の配合剤。抗炎症・排尿改善作用
セルニルトン®植物花粉由来。前立腺の炎症・むくみを軽減

効果は緩やかですが、副作用が少なく、長期に継続しやすいという利点があります。


13. 主な治療薬まとめ【比較表】

分類代表薬効果発現前立腺を縮小するか主な役割
α1遮断薬タムスロシン、シロドシン、ナフトピジル数日〜2週間しない第一選択。尿道の緊張をゆるめる
PDE5阻害薬タダラフィル2〜4週間しない血流改善。ED合併例に有用
5α還元酵素阻害薬デュタステリド3〜6か月する前立腺が大きい方の長期管理
抗アンドロゲン薬クロルマジノン数か月する現在は使用機会が減少
漢方・植物製剤八味地黄丸、エビプロスタット等緩やかしない軽症例、補助的併用
β3作動薬・抗コリン薬ミラベグロン、ソリフェナシン等2〜4週間しない過活動膀胱の合併時に追加

14. 過活動膀胱を合併している場合

前立腺肥大症の方の多くが、頻尿・尿意切迫感といった過活動膀胱の症状を併せ持っています。

治療の順序が重要です

いきなり過活動膀胱の薬から始めてはいけません。

膀胱の収縮を抑える薬(抗コリン薬など)を、尿の通りが悪い状態で使うと、尿が出なくなる(尿閉)リスクがあります。

そのため、次の順序で進めます。

  1. まずα1遮断薬などで尿の通りを改善する
  2. 残尿量を確認する
  3. それでも頻尿・切迫感が残る場合に、β3作動薬などを追加する
  4. 追加後も残尿量を再確認する

残尿量のモニタリングが安全性の鍵になります。当院では超音波で定期的に確認しながら調整します。

過活動膀胱そのものについては、別記事「過活動膀胱(頻尿・尿意切迫感)」で詳しく解説しています。


15. 【重要】症状を悪化させる市販薬に注意

これは、前立腺肥大症の方にぜひ知っておいていただきたい内容です。

以下の成分を含む薬は、尿が出にくくなり、急性尿閉を引き起こすことがあります。

注意が必要な薬

薬の種類具体例理由
総合感冒薬・鼻炎薬市販の風邪薬、抗ヒスタミン薬(第一世代)抗コリン作用で膀胱の収縮を抑える
鎮咳去痰薬の一部同上
乗り物酔い止め抗コリン作用
一部の胃腸薬鎮痙薬抗コリン作用
一部の抗うつ薬三環系抗うつ薬抗コリン作用
一部の抗不整脈薬抗コリン作用
一部の頻尿治療薬抗コリン薬膀胱の収縮を抑える

実際によくある経過

「風邪をひいて市販の風邪薬を飲んだら、その晩に尿がまったく出なくなり、救急外来で導尿を受けた」

これは決して珍しくない出来事です。

対策

  • 市販薬を購入する際は、薬剤師に「前立腺肥大症がある」と必ず伝える
  • 他科を受診する際も、同様にお伝えください
  • お薬手帳に記載しておくと確実です
  • 当院は内科を併設していますので、風邪などの際も前立腺への影響を踏まえた処方が可能です

16. 手術という選択肢

薬物療法で改善が不十分な場合、または合併症がある場合には、手術が検討されます。

術式概要
TURP(経尿道的前立腺切除術)内視鏡で前立腺の内側を削り取る。長年の標準術式
HoLEP(ホルミウムレーザー核出術)レーザーで前立腺をくり抜く。大きな前立腺にも対応可能で出血が少ない
PVP(光選択的レーザー蒸散術)レーザーで蒸散させる。抗血栓薬服用中でも比較的行いやすい
水蒸気治療(WAVE療法)水蒸気で前立腺組織を縮小させる低侵襲治療。射精機能が温存されやすい

手術を検討すべき状況

  • 薬物療法で十分な改善が得られない
  • 繰り返す尿閉
  • 残尿が多く、腎機能への影響がある
  • 膀胱結石を合併している
  • 繰り返す尿路感染症
  • 薬の副作用で継続が困難

これらは入院設備のある医療機関で行われます。当院では適応を評価し、必要な場合に連携医療機関へご紹介します。 手術が必要かどうかを判断するための評価から、お気軽にご相談ください。


17. 日常生活で気をつけたいこと

水分の取り方

  • 極端に控えるのは逆効果(尿が濃縮され膀胱を刺激し、結石のリスクも上がります)
  • 夜間頻尿がある方は、就寝2〜3時間前からの水分を控えめに
  • 日中にしっかり摂り、夕方以降を調整するのがコツです

アルコール・カフェイン

  • アルコールは前立腺のむくみを増やし、利尿作用もあるため、症状を悪化させます
  • 特に就寝前の飲酒は尿閉の誘因になります
  • コーヒー・緑茶などのカフェインも夕方以降は控えめに

排尿を我慢しない

長時間の我慢は、膀胱の過伸展から尿閉につながります。長距離運転や会議の前には、意識的に排尿を

身体を冷やさない

冷えは尿道や前立腺の緊張を高めます。冬場に症状が悪化する方は、下半身の保温を意識してください。

便秘の改善

便秘によって直腸が膨らむと、前立腺・尿道が圧迫され症状が悪化します。

適度な運動

長時間の座位は骨盤内のうっ血を招きます。デスクワークの多い方は、1時間に一度は立って動くようにしましょう。ウォーキングなどの有酸素運動は、メタボリックシンドロームの改善を通じて前立腺肥大症にも良い影響をもたらします。


18. よくある心配事Q&A

Q. 年齢のせいだから、我慢するしかないのでしょうか?

A. そのようなことはありません。前立腺肥大症は治療によって症状が改善する疾患です。「夜中に3回起きていたのが1回になった」「尿の勢いが戻り、外出が楽になった」という変化は、生活の質を大きく変えます。また、放置による合併症のリスクもあります。年齢を理由に諦める必要はありません。

Q. 前立腺肥大症はがんになりますか?

A. なりません。両者は発生部位も性質も異なる別の病気です。ただし、同時に存在することはあります。 前立腺がんは早期には症状が出ないため、症状の有無に関わらずPSA検査による確認をおすすめしています。

Q. 薬は一生飲み続けるのですか?

A. 前立腺肥大症は加齢に伴い進行する疾患のため、多くの場合は継続的な服薬が必要になります。ただし、症状が安定すれば減量を検討することもあります。また、手術によって薬から離脱できるケースもあります。「一生」と決まっているわけではありません。

Q. 薬を飲むと性機能に影響しますか?

A. 薬剤によって異なります。α1遮断薬では射精障害(精液が出ない)が生じることがありますが、勃起機能そのものへの影響は少なく、中止すれば戻ります。デュタステリドでは性欲減退や勃起機能の低下が起こることがあります。一方、タダラフィルは排尿と勃起の両方に働くため、性機能への影響を懸念される方には有力な選択肢です。気になる点は遠慮なくお伝えください。薬の選択肢は複数あります。

Q. サプリメント(ノコギリヤシなど)は効きますか?

A. ノコギリヤシなどの成分については研究が行われていますが、医療用医薬品ほどの明確な有効性は確立していません。サプリメントで様子を見ている間に、残尿の増加や腎機能への影響が進行してしまうことが問題です。 まずは検査で現状を把握したうえで、必要な治療を選択されることをおすすめします。

Q. 恥ずかしくて受診をためらっています

A. 前立腺肥大症は50歳以上の男性にごくありふれた疾患で、泌尿器科医にとっては日常的に診る症状です。当院は皮膚科・美容皮膚科・内科・泌尿器科などを併設しており、外から何科の受診かがわかりにくい環境です。この点で受診しやすいとおっしゃっていただくことがあります。

Q. どのくらいの間隔で通院が必要ですか?

A. 治療開始時は1か月程度で効果を確認し、安定すれば2〜3か月ごとの受診が一般的です。定期的にIPSS・残尿量・PSAを確認しながら、長期的に管理していきます。

Q. 尿が急に出なくなったら、どうすればよいですか?

A. 急性尿閉は緊急の状態です。 下腹部の張りと強い痛みを伴います。我慢せず、速やかに泌尿器科または救急外来を受診してください。導尿によって速やかに改善します。


19. 名古屋あおいクリニックでの診療について

名古屋市東区・高岳駅から徒歩4分の**名古屋あおいクリニック(皮膚科・美容皮膚科・内科・泌尿器科・児童精神科・精神科)**では、前立腺肥大症の診断・治療に対応しています。

当院での対応内容

  • 問診・IPSS/QOLスコアによる症状評価
  • 検尿・血液検査(PSA・腎機能)
  • 超音波検査による前立腺体積・残尿量の測定
  • 尿流量測定(ウロフロメトリー)
  • 前立腺がんのスクリーニング(PSA検査・直腸診)
  • α1遮断薬・PDE5阻害薬・5α還元酵素阻害薬による薬物療法
  • 漢方薬・植物製剤による治療
  • 過活動膀胱合併例における併用療法と残尿モニタリング
  • 併用薬・市販薬に関する注意点のご説明
  • 内科との連携(糖尿病・高血圧・脂質異常症など背景疾患の管理)
  • 手術適応の評価と連携医療機関へのご紹介

こんな方はぜひご相談ください

  • 尿の勢いが弱い、出始めるまでに時間がかかる
  • 夜中に何度もトイレで目が覚め、熟睡できない
  • 残尿感がある、排尿後に下着が濡れる
  • 健診でPSAが高いと指摘された
  • 前立腺が大きいと言われたが、治療が必要か知りたい
  • 現在服用中の薬の効果が不十分、副作用が気になる
  • 性機能への影響が心配で治療をためらっている
  • 市販の風邪薬を飲んでよいか不安
  • 手術が必要かどうかを判断するための評価を受けたい

「前立腺肥大症は、じわじわと進行するために『年のせい』と受け止められやすい疾患です。しかし治療によって夜間の睡眠が確保され、外出への不安が減ると、生活は確実に変わります。射精への影響や恥ずかしさから受診をためらう方も多くいらっしゃいますが、薬の選択肢は複数あり、ご希望に合わせた調整が可能です。まずは今の状態を数値で知るところから、一緒に始めましょう。」


名古屋あおいクリニックのご案内

名古屋あおいクリニック 皮膚科・美容皮膚科・内科・泌尿器科・児童精神科・精神科

〒461-0005 愛知県名古屋市東区東桜2-4-1 第三コジマビル6階

【TEL】052-737-7117

【診療時間】 10:30~13:30 14:30~19:00

【休診日】不定休

【アクセス】 高岳駅より徒歩4分 新栄町駅より徒歩5分

【ホームページ】https://www.nagoya-aoi-clinic.com/ 【Instagram】https://www.instagram.com/nagoya.aoi.clinic

オンライン予約はホームページより24時間受け付けております。 皆さまのご来院を心よりお待ちしております。

✧———✧———✧———✧———✧

名古屋あおいクリニック 皮膚科・美容皮膚科・内科・泌尿器科・児童精神科・精神科

〒461-0005 愛知県名古屋市東区東桜2-4-1 第三コジマビル6階

【TEL】052-737-7117

【診療時間】10:30~13:30 / 14:30~19:00 【休診日】不定休

【アクセス】高岳駅より徒歩4分・新栄町駅より徒歩5分

【ホームページ】https://www.nagoya-aoi-clinic.com/

オンライン予約はホームページより可能です。

✧———✧———✧———✧———✧

お知らせ一覧に戻る

お肌やお身体、そして心の健康について、
お気軽にご相談ください。

当院へのお問い合わせ・ご予約はお電話またはLINE、オンライン予約フォームをご利用ください。

PAGETOP