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乾癬(かんせん)——銀白色のうろこ状の皮疹が繰り返す慢性皮膚疾患の正しい診断と最新治療(生物学的製剤・JAK阻害薬)を名古屋あおいクリニック(名古屋市東区・皮膚科)が詳しく解説
乾癬(かんせん)——銀白色のうろこ状の皮疹が繰り返す慢性皮膚疾患の正しい診断と最新治療(生物学的製剤・JAK阻害薬)を名古屋あおいクリニック(名古屋市東区・皮膚科)が詳しく解説
「肘・膝・頭皮に銀白色のうろこ(鱗屑)が積み重なった赤い皮疹が出て、治ってはまた再発する」「ステロイドを塗っても繰り返すだけで根本的に改善しない」「爪が変形してきた・関節が痛い」「乾癬と診断されたが生物学的製剤について詳しく知りたい」——乾癬(Psoriasis)は、皮膚の炎症が慢性的に続く自己免疫性皮膚疾患です。日本では人口の約0.1〜0.3%(数十万人以上)が罹患するとされ、完治が難しい疾患として知られてきましたが、近年の生物学的製剤・JAK阻害薬の登場で「皮疹が完全に消える(PASI100)」という治療目標が現実的になってきました。<cite index=”19-1″>皮疹の維持においてTNF-α、IL-23、IL-17の軸が重要であると考えられており、これらを標的とした生物学的製剤が続々と登場しています。</cite>名古屋市東区の皮膚科・名古屋あおいクリニックが、乾癬の種類・原因・正しい診断・ステロイドから生物学的製剤まで段階的な治療法を、わかりやすく詳しく解説します。
目次
- 乾癬とは——自己免疫性の慢性炎症性皮膚疾患
- 乾癬の5つの病型
- 尋常性乾癬の症状——特徴的な皮疹と好発部位
- 乾癬のメカニズム——なぜ皮膚が厚くなるのか
- 乾癬の悪化因子——ストレス・感染・薬剤
- 乾癬の診断——皮膚科での評価
- 乾癬の重症度評価——PASI・BSA・DLQI
- 【治療①】外用療法——ステロイド・活性型ビタミンD3・合剤
- 【治療②】光線療法——ナローバンドUVB・PUVA
- 【治療③】内服薬——メトトレキサート・シクロスポリン・アプレミラスト
- 【治療④】生物学的製剤——TNF-α阻害薬・IL-17阻害薬・IL-23阻害薬
- 【治療⑤】JAK阻害薬内服——デュークラバシチニブ(スキリージ®)
- 乾癬性関節炎——関節症状への対応
- 乾癬と生活習慣——肥満・喫煙・アルコール
- よくある質問(FAQ)
- 名古屋あおいクリニックでの診療について
1. 乾癬とは——自己免疫性の慢性炎症性皮膚疾患
定義
**乾癬(Psoriasis)**は、皮膚のターンオーバー(角化サイクル)が異常に速まり(正常28日→乾癬では3〜4日)、角質が十分に成熟しないまま積み重なって厚い鱗屑(りんせつ:うろこ状の皮膚)を形成する慢性炎症性皮膚疾患です。
有病率: 日本では人口の約0.1〜0.3%。欧米では2〜3%とさらに多い
発症年齢: 20〜30代と50〜60代に2つのピーク
遺伝的素因: 家族歴のある方に多い(HLA-Cw6等との関連)
2. 乾癬の5つの病型
<cite index=”19-1″>尋常性乾癬、乾癬性関節炎、滴状乾癬、乾癬性紅皮症、汎発性膿疱性乾癬の5つの病型に分類されます。</cite>
| 病型 | 特徴 | 重症度 |
|---|---|---|
| 尋常性乾癬 | 最多(約90%)。鱗屑を伴う紅斑 | 軽症〜重症 |
| 乾癬性関節炎 | 関節痛・関節破壊を合併 | 中等症〜重症 |
| 滴状乾癬 | 小さな水滴状の皮疹が多発。溶連菌感染後に多い | 軽症〜中等症 |
| 乾癬性紅皮症 | 全身皮膚が真っ赤になる。緊急治療が必要 | 重症 |
| 汎発性膿疱性乾癬 | 全身に膿疱が出現・発熱。指定難病 | 最重症・緊急 |
3. 尋常性乾癬の症状——特徴的な皮疹と好発部位
特徴的な皮疹
- 境界明瞭な紅斑: 周囲との境界がはっきりした赤い皮疹
- 銀白色の鱗屑: 表面に積み重なったうろこ状の角質(引っかくと剥がれ落ちる)
- 点状出血(アウスピッツ現象): 鱗屑を剥がすと点状に出血する(乾癬に特徴的)
- かゆみ: 程度は様々(強いかゆみから無症状まで)
好発部位
- 肘・膝(摩擦が加わりやすい部位)
- 頭皮(フケと間違えられやすい)
- 腰部・仙骨部
- 爪(爪乾癬:爪に点状陥凹・爪甲剥離・油滴状変化)
4. 乾癬のメカニズム——なぜ皮膚が厚くなるのか
乾癬では免疫系の異常(Th17細胞の過剰活性化)により、以下の炎症性サイトカインが過剰に産生されます:
- TNF-α(腫瘍壊死因子α): 炎症の全般的な増幅
- IL-23: Th17細胞の分化・活性化を促進
- IL-17A・IL-17F: 角化細胞の異常増殖・炎症を直接誘導
<cite index=”19-1″>外傷、感染、薬剤などがトリガーとなり引き起こされる「初期」と、慢性的に臨床症状が維持されときに増悪する「維持期」に分けることができます。</cite>
この炎症カスケードの各段階を標的にしたのが、現在の生物学的製剤・JAK阻害薬です。
5. 乾癬の悪化因子——ストレス・感染・薬剤
乾癬を悪化させる主な因子:
感染: 上気道感染(溶連菌咽頭炎)は乾癬の初発・悪化の大きなトリガーになります(特に滴状乾癬)。
ストレス・過労: 精神的・身体的ストレスは免疫バランスを乱し、乾癬を悪化させます。
薬剤:
- β遮断薬(降圧薬)
- リチウム(精神科薬)
- インドメタシン等のNSAIDs
- 抗マラリア薬
肥満・代謝症候群: 肥満は乾癬の発症・重症化リスクを高めます。脂肪組織からの炎症性サイトカインが関与します。
喫煙・アルコール: 乾癬の発症・悪化リスクを高め、治療効果を下げます。
コブネル現象: 皮膚への外傷・摩擦・手術部位に乾癬が誘発される現象です。
6. 乾癬の診断——皮膚科での評価
視診
銀白色鱗屑を伴う境界明瞭な紅斑・アウスピッツ現象・好発部位という特徴から、多くの場合視診で診断できます。
皮膚生検
非典型的な場合や悪性疾患との鑑別が必要な場合に行います。
鑑別疾患
| 疾患 | 鑑別のポイント |
|---|---|
| 脂漏性皮膚炎 | 頭皮・顔面中心、鱗屑は油性 |
| アトピー性皮膚炎 | アレルギー体質・肘窩・膝窩 |
| 掌蹠膿疱症 | 手のひら・足の裏の膿疱 |
| 白癬(水虫) | KOH検査で白癬菌陽性 |
7. 乾癬の重症度評価——PASI・BSA・DLQI
生物学的製剤の適応判断に重症度評価が重要です。
- PASI(Psoriasis Area and Severity Index): 体の4部位の面積・紅班・鱗屑・硬結を点数化。PASI10以上で中等症〜重症
- BSA(Body Surface Area): 皮疹が体表面積の何%を占めるか
- DLQI(Dermatology Life Quality Index): 皮膚疾患が生活の質に与える影響を評価
生物学的製剤は一般的に「外用薬・光療法・内服薬で効果不十分な中等症〜重症例」が対象です。
8. 【治療①】外用療法——ステロイド・活性型ビタミンD3・合剤
軽症〜中等症の局所治療の基本です。
ステロイド外用薬
炎症を迅速に鎮静させます。ただし長期連用で皮膚萎縮・リバウンドのリスクがあるため、改善したら活性型ビタミンD3薬に切り替えるなど計画的な使用が重要です。
活性型ビタミンD3外用薬
- マキサカルシトール(オキサロール®)
- カルシポトリオール(ドボネックス®)
ステロイドと比べて副作用が少なく、長期使用に適しています。ただし即効性ではステロイドに劣ります。
配合剤(ドボベット®・マーデュオックス®)
ステロイド+活性型ビタミンD3の配合外用薬。両方の利点を持ち、1日1回塗布で使いやすいです。
9. 【治療②】光線療法——ナローバンドUVB・PUVA
ナローバンドUVB(NBUVB)
紫外線B波の中で特定波長(311〜313nm)のみを照射する光線療法。週2〜3回通院して照射します。副作用が少なく有効性が高い標準的な光線療法です。
PUVA療法
光感受性薬剤(ソラレン)内服・外用後にUVA照射。NB-UVBより強力ですが副作用もやや多い。
10. 【治療③】内服薬——メトトレキサート・シクロスポリン・アプレミラスト
メトトレキサート(MTX)
週1回の内服。長年使用されてきた免疫調節薬。葉酸欠乏・肝障害・骨髄抑制の副作用管理が必要。
シクロスポリン
免疫抑制薬。効果は早く出るが長期連用で腎障害・高血圧のリスク。定期的な血液・尿検査が必要。
アプレミラスト(オテズラ®)
PDE4阻害薬の内服薬。注射製剤(生物学的製剤)に抵抗のある方や副作用が少ない内服薬を希望する方に選択肢になります。
11. 【治療④】生物学的製剤——TNF-α阻害薬・IL-17阻害薬・IL-23阻害薬
<cite index=”21-1″>生物学的製剤とは、化学的に合成した医薬品ではなく、生物が合成する物質(タンパク質)を応用して作られた治療薬で、乾癬に対して効果を発揮しますが、すべての患者さんが使用できるわけではありません。</cite>
TNF-α阻害薬
- アダリムマブ(ヒュミラ®)
- セルトリズマブペゴル(シムジア®)
IL-17阻害薬(現在最も多く使用)
- セクキヌマブ(コセンティクス®)
- イキセキズマブ(タルツ®)
- ビメキズマブ(バイオジェン®)——IL-17A・IL-17F両方を阻害
- ブロダルマブ(ルミセフ®)——IL-17受容体を阻害
IL-23阻害薬(投与間隔が長く便利)
- グセルクマブ(トレムフィア®)——8週に1回
- リサンキズマブ(スキリージ®)——12週に1回
- チルドラキズマブ(イルミア®)——12週に1回
生物学的製剤の特徴
効果: PASI90達成率(皮疹が90%以上消える)が70〜80%、PASI100(完全消失)も現実的な目標になってきました。
安全性: 結核・B型肝炎の再活性化リスクがあるため、開始前にスクリーニング検査が必要。
<cite index=”21-1″>2024年10月28日より、日本皮膚科学会が定めたIL-17阻害剤、IL-23阻害剤は、届出した施設での使用が可能となりました。</cite>
12. 【治療⑤】JAK阻害薬内服——デュークラバシチニブ(ソーティクトュ®)
乾癬に対するTYK2阻害薬(JAK阻害薬の一種)として承認された新しい内服薬です。
- 作用機序: TYK2を選択的に阻害→IL-23・IL-12シグナルを遮断→Th17・Th1を介した炎症を抑制
- 服薬方法: 1日1回の内服
- 特徴: 注射が不要で内服薬でありながら生物学的製剤に近い有効性が報告されています
- 副作用: 感染リスク・血栓症等(他のJAK阻害薬より少ない傾向)
- 適応: 外用薬・光療法で効果不十分な中等症〜重症の尋常性乾癬
13. 乾癬性関節炎——関節症状への対応
乾癬患者の約20〜30%に関節炎を合併します(乾癬性関節炎:PsA)。
症状:
- 手指・足趾の関節の腫れ・痛み(DIP関節〔指先〕に多い)
- ソーセージ指(指全体が腫れる)
- 脊椎・仙腸関節の痛み・こわばり(朝に強い)
治療: 生物学的製剤(特にIL-17阻害薬・TNF-α阻害薬)は皮膚症状と関節症状の両方に効果があります。関節破壊が進む前の早期治療が重要です。
14. 乾癬と生活習慣——肥満・喫煙・アルコール
生活習慣の改善が治療効果を高めます。
減量: 肥満は乾癬の重症化因子。体重を10%減らすだけでPASIスコアが改善するというデータがあります。生物学的製剤の効果も体重が適正範囲に近いほど高くなります。
禁煙: 喫煙は乾癬の発症・悪化リスクを高め、治療効果を低下させます。
節酒: アルコールは乾癬を悪化させます。特に男性の多量飲酒は乾癬発症リスクを高めます。
ストレス管理: 定期的な運動・十分な睡眠・趣味などによるストレス軽減。
15. よくある質問(FAQ)
Q. ステロイドを長年塗っているのに治りません。生物学的製剤を受けられますか?
A. ステロイド外用薬・光療法・内服薬で効果不十分な中等症〜重症の乾癬には生物学的製剤が適応になります。現在は届出した皮膚科施設で処方を受けられます。まず皮膚科で重症度評価を受けてください。
Q. 乾癬は完治しますか?
A. 乾癬は慢性疾患であり「完治(再発のない状態)」は難しい疾患です。ただし現代の生物学的製剤でPASI100(皮疹の完全消失)を達成し、長期間皮疹がない状態を維持できる患者が増えています。「コントロール」を目標とした治療が現実的です。
16. 名古屋あおいクリニックでの診療について
名古屋市東区にある**名古屋あおいクリニック(皮膚科・美容皮膚科・内科)**では、乾癬の診断・外用療法・内服薬処方・重症例の専門病院への紹介に対応しています。
当院で対応できる主な内容
- 乾癬の診断・重症度評価(PASI・DLQI)
- ステロイド外用薬・活性型ビタミンD3外用薬・配合剤(ドボベット等)の処方
- アプレミラスト(オテズラ)等の内服薬処方
- デュークラバシチニブ(ソーティクトゥ)等のTYK2阻害薬の処方
- 光線療法(ナローバンドUVB)の実施または専門病院への紹介
- 生物学的製剤が必要な重症例・乾癬性関節炎の専門病院への紹介
こんな方はぜひご相談ください
- 肘・膝・頭皮に銀白色のうろこ(鱗屑)のある赤い皮疹が繰り返す
- ステロイドを塗っているが再発を繰り返すだけ
- 爪が変形してきた・関節が痛い(乾癬性関節炎かもしれません)
- 生物学的製剤・新しい治療法について相談したい
- 乾癬と診断されたが治療の選択肢を整理したい
「乾癬は2018年以降の生物学的製剤の登場で治療が大きく変わりました。諦めていた方も、ぜひ最新の治療についてご相談ください。」
名古屋あおいクリニックのご案内
名古屋あおいクリニック 皮膚科・美容皮膚科・内科・泌尿器科・児童精神科・精神科
〒461-0005 愛知県名古屋市東区東桜2-4-1 第三コジマビル6階
【TEL】052-737-7117
【診療時間】 10:30~13:30 14:30~19:00
【休診日】不定休
【アクセス】 高岳駅より徒歩4分 新栄町駅より徒歩5分
【ホームページ】https://www.nagoya-aoi-clinic.com/ 【Instagram】https://www.instagram.com/nagoya.aoi.clinic
オンライン予約はホームページより24時間受け付けております。 皆さまのご来院を心よりお待ちしております。
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