精索静脈瘤(精巣静脈瘤)——男性不妊の最多原因・陰嚢の重だるさの正体と治療を名古屋あおいクリニック(名古屋市東区・泌尿器科)が詳しく解説

精索静脈瘤(精巣静脈瘤)——男性不妊の最多原因・陰嚢の重だるさの正体と治療を名古屋あおいクリニック(名古屋市東区・泌尿器科)が詳しく解説

「左の陰嚢がなんとなく重い・だるい感じがする」「妊活中だが精液検査で精子の数・運動率が低かった」「精索静脈瘤があると言われたが治療が必要かわからない」「左側の陰嚢がなんとなく腫れているような気がする」——精索静脈瘤(せいさくじょうみゃくりゅう)は、精巣(睾丸)の周囲の静脈が逆流・拡張する疾患で、男性不妊の最も多い原因のひとつです。男性不妊患者の約35〜40%に精索静脈瘤が見られるとされ、適切な治療(手術)で精子の質が改善・自然妊娠や不妊治療の成功率が上がる可能性があります。名古屋市東区の泌尿器科・名古屋あおいクリニックが、精索静脈瘤の原因・症状・診断・男性不妊との関係・治療(手術)まで、わかりやすく詳しく解説します。


目次

  1. 精索静脈瘤とは——精巣周囲の静脈の逆流・拡張
  2. 精索静脈瘤の有病率——意外と多い
  3. なぜ左側に多いのか——解剖学的な理由
  4. 精索静脈瘤の症状——多くは「無症状」
  5. 精索静脈瘤がなぜ男性不妊の原因になるのか
  6. 精索静脈瘤のグレード分類
  7. 精索静脈瘤の診断——触診・超音波検査
  8. 精液検査——精子の質の評価
  9. 精索静脈瘤の治療——手術が最も有効
  10. 手術の種類——顕微鏡下精索静脈瘤手術が現在の標準
  11. 手術後の経過——精子改善までの期間
  12. 手術しない場合——経過観察の基準
  13. 精索静脈瘤と性機能(LOH症候群)の関係
  14. よくある質問(FAQ)
  15. 名古屋あおいクリニックでの診療について

1. 精索静脈瘤とは——精巣周囲の静脈の逆流・拡張

定義

**精索静脈瘤(Varicocele)は、精巣(睾丸)に栄養を送る精索内にある蔓状静脈叢(つるじょうじょうみゃくそう)**が拡張・蛇行する疾患です。静脈内の弁の機能不全により、血液が逆流して静脈が拡張します。

静脈の拡張した状態は、触ると「ミミズが絡まったような感触」と表現されることがあります。


2. 精索静脈瘤の有病率——意外と多い

  • 成人男性全体: 約15〜20%に存在
  • 男性不妊患者: 約35〜40%に存在(一般男性より有意に高い)
  • 二次性男性不妊(一度は子どもに恵まれたが次が難しい): 約80%以上に見られるとする報告もある

精索静脈瘤は「珍しい疾患」ではなく、男性不妊の最も多い原因です。


3. なぜ左側に多いのか——解剖学的な理由

精索静脈瘤は約90%が左側に発生します。右側や両側にも発生しますが、左側に圧倒的に多い理由は解剖学的な特徴によります。

左側に多い理由:

  • 左精巣静脈は左腎静脈に直角に流入するため、血液の逆流が起きやすい
  • 右精巣静脈は下大静脈に斜めに流入するため逆流しにくい
  • 左腎静脈が大動脈と腸間膜動脈に挟まれてうっ血しやすい(ナットクラッカー症候群)

右側のみの精索静脈瘤が見つかった場合は、後腹膜腫瘍等の二次性の原因を除外する必要があります。


4. 精索静脈瘤の症状——多くは「無症状」

精索静脈瘤の大多数は自覚症状がほとんどありません。 男性不妊の検査や健診で偶然発見されることが多い疾患です。

症状がある場合(少数):

  • 左陰嚢・鼠径部の重だるさ・引っ張られる感じ
  • 長時間立位・運動後に悪化するだるさ
  • 陰嚢の腫れ・違和感

重要: 「症状がないから大丈夫」ではありません。無症状でも精子の質を著しく低下させている精索静脈瘤が存在します。妊活中・精液検査で異常があった場合は、精索静脈瘤の評価を受けることが重要です。


5. 精索静脈瘤がなぜ男性不妊の原因になるのか

精索静脈瘤が精子の質を低下させるメカニズムは複数の経路が関与しています。

①精巣温度の上昇(最重要メカニズム): 精巣は精子産生のために体温より約2〜3℃低い温度(約34〜35℃)に維持されています。静脈の逆流・うっ血により精巣周囲の温度が上昇し、精子産生に必要な適温が維持できなくなります。

②活性酸素(ROS)の増加: 逆流した血液に含まれる代謝産物・活性酸素が精巣に流れ込み、精子のDNA損傷・運動率低下を引き起こします。

③精巣動脈血流の低下: 静脈うっ血により精巣への動脈血流が低下し、精子産生に必要な栄養・酸素供給が不足します。

④ホルモン環境の悪化: 精巣機能の低下によりテストステロン産生が低下することがあります。


6. 精索静脈瘤のグレード分類

精索静脈瘤は触診・超音波検査所見により重症度をグレード分類します。

グレード特徴
Grade I(軽度)触診では触れないが、バルサルバ手技(腹圧をかける動作)で確認できる
Grade II(中等度)バルサルバ手技なしでも触診で確認できる
Grade III(重度)視診でも確認できる・陰嚢越しに明らかに拡張した静脈が見える

グレードが高いほど男性不妊への影響が大きい傾向がありますが、Grade Iでも精子の質に影響することがあります。


7. 精索静脈瘤の診断——触診・超音波検査

触診

立位で腹圧をかけながら(バルサルバ手技)、精索内の蔓状静脈叢の拡張を触知します。「ミミズの塊のような感触」が陽性所見です。

陰嚢超音波検査(最重要)

カラードプラ超音波検査は精索静脈瘤の診断に最も重要な画像検査です。

  • 静脈の直径が3mm以上を精索静脈瘤と診断することが多い
  • バルサルバ手技中の血液の逆流をドプラで確認
  • 精巣の大きさ・萎縮の程度の評価

8. 精液検査——精子の質の評価

精索静脈瘤が男性不妊に関与しているかを評価するために、精液検査が必須です。

WHO基準(2021年)での正常値:

項目正常下限値
精液量1.4 mL以上
総精子数39×10⁶以上
精子濃度16×10⁶/mL以上
総運動率42%以上
前進運動率30%以上
正常形態精子率4%以上

精索静脈瘤では「精子濃度の低下・運動率の低下・奇形精子の増加」というパターンが典型的です。


9. 精索静脈瘤の治療——手術が最も有効

治療の目的

  1. 男性不妊の改善: 精子の質を改善し、自然妊娠率・不妊治療成功率を上げる
  2. 精巣機能の保全: 精索静脈瘤による精巣萎縮・機能低下の進行を防ぐ
  3. 症状の改善: 陰嚢の重だるさ・疼痛がある場合

治療適応(EAUガイドライン2025)

<cite index=”9-1″>ヨーロッパ泌尿器科学会ガイドライン2025では、以下の条件を満たす場合に精索静脈瘤手術を推奨しています。</cite>

  • 触知可能または超音波で確認できる精索静脈瘤がある
  • 精液検査で異常がある(WHO基準を下回る)
  • カップルに説明できる不妊の原因が他にない
  • 女性側のパートナーの妊孕性が正常または軽度低下

無症状・精液検査正常の場合は経過観察が一般的です。


10. 手術の種類——顕微鏡下精索静脈瘤手術が現在の標準

顕微鏡下精索静脈瘤手術(Microscopic Varicocelectomy)

現在の国際標準術式です。手術用顕微鏡を用いて精索を鼠径部または鼠径部下(傍鼠径部・陰嚢部)で展開し、逆流している静脈のみを選択的に結紮(縛って閉鎖)する方法です。

顕微鏡下手術のメリット:

  • リンパ管・精巣動脈の温存が可能: 正常な血管を温存しながら逆流静脈のみを処理
  • 再発率が低い: 約0〜1%(顕微鏡なしの術式は約5〜10%)
  • 水腫(陰嚢水腫)の合併が少ない: リンパ管温存による
  • <cite index=”9-1″>87%の方に精液所見の改善が見られています。</cite>

腹腔鏡下手術・経皮的塞栓術

腹腔鏡・カテーテルを使用した方法もあります。それぞれ侵襲・再発率・合併症プロファイルが異なります。


11. 手術後の経過——精子改善までの期間

<cite index=”10-1″>精子のパラメータは、精索静脈瘤手術後3か月までに改善し、その後はそれ以上改善しないことが多いです。</cite>

術後の経過の目安:

  • 術後3か月: 精液検査での精子パラメータの改善が最も多く見られる時期
  • 術後6か月〜1年: 精子の質がさらに安定・自然妊娠への期待が高まる時期
  • 術後3か月で精液検査を受けることを泌尿器科医から指示されるのが一般的

自然妊娠率の改善: 精索静脈瘤手術後の自然妊娠率は術後1〜2年で30〜50%程度改善するとされています(術前の精液所見・パートナーの年齢・不妊期間等により異なります)。


12. 手術しない場合——経過観察の基準

以下の場合は手術を行わず経過観察が選択されることがあります。

  • 精液検査が正常範囲内
  • Grade I(軽度)で精液検査への影響が確認されない
  • パートナーの妊孕性に問題があり、まず体外受精・顕微授精が優先される
  • 本人が手術を希望しない

ただし、精巣の萎縮が進行している場合・若い男性で将来の妊孕性保全の観点から手術を選択するケースもあります。


13. 精索静脈瘤と性機能(LOH症候群)の関係

精索静脈瘤が精巣機能を低下させることで、テストステロン産生が低下→LOH症候群(男性更年期)様の症状(倦怠感・性欲低下・EDの悪化)が出現することがあります。

精索静脈瘤手術後にテストステロン値が改善するという報告もあり、男性ホルモン低下が気になる方の精索静脈瘤評価も重要です。


14. よくある質問(FAQ)

Q. 精索静脈瘤があっても子どもができる人はいますか?

A. はい。精索静脈瘤があっても自然妊娠している男性は多くいます。精索静脈瘤は男性不妊の「リスク因子」ですが、絶対に子どもができないという意味ではありません。精液検査で精子の質が正常範囲であれば、経過観察で問題ないケースもあります。

Q. 精索静脈瘤の手術は痛いですか?ダウンタイムは?

A. 局所麻酔または腰椎麻酔で行うことが多く、術後の痛みは比較的軽度です。陰嚢の違和感・腫れが数日〜1週間程度続くことがあります。デスクワーク等の軽作業は1〜2日後から可能ですが、重労働・運動は2〜4週間の制限が一般的です。

Q. 精索静脈瘤は左だけでなく右にもありますか?

A. はい。約90%は左側ですが、両側や右側のみに発生することもあります。右側のみの精索静脈瘤は二次性(後腹膜腫瘍等)の可能性もあるため、精密検査が必要です。


15. 名古屋あおいクリニックでの診療について

名古屋市東区にある**名古屋あおいクリニック(泌尿器科・皮膚科・内科)**では、精索静脈瘤の診断・精液検査・専門病院への紹介に対応しています。

当院で対応できる主な内容

  • 触診による精索静脈瘤の評価
  • 陰嚢超音波検査(カラードプラ)による精索静脈瘤の診断・グレード評価
  • 精液検査(精子濃度・運動率・形態)
  • 男性不妊における精索静脈瘤の総合評価
  • 手術適応の評価・専門病院(泌尿器科・生殖医療センター)への紹介
  • テストステロン測定・LOH症候群の合併評価

こんな方はぜひご相談ください

  • 妊活中で精液検査の数値が低かった
  • 左陰嚢が重い・だるい感じがある
  • 精索静脈瘤があると言われたが治療が必要か相談したい
  • 男性不妊の原因を調べたい
  • 精索静脈瘤手術後のフォローアップをしたい

「男性不妊の最も多い原因が精索静脈瘤です。精液検査で気になる結果が出たら、泌尿器科での精索静脈瘤の評価を受けてください。」


名古屋あおいクリニックのご案内

名古屋あおいクリニック 皮膚科・美容皮膚科・内科・泌尿器科・児童精神科・精神科

〒461-0005 愛知県名古屋市東区東桜2-4-1 第三コジマビル6階

【TEL】052-737-7117

【診療時間】 10:30~13:30 14:30~19:00

【休診日】不定休

【アクセス】 高岳駅より徒歩4分 新栄町駅より徒歩5分

【ホームページ】https://www.nagoya-aoi-clinic.com/ 【Instagram】https://www.instagram.com/nagoya.aoi.clinic

オンライン予約はホームページより24時間受け付けております。 皆さまのご来院を心よりお待ちしております。

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