前立腺がん——PSA検査による早期発見・診断・治療を名古屋あおいクリニック(名古屋市東区・泌尿器科)が詳しく解説

前立腺がん——PSA検査による早期発見・診断・治療を名古屋あおいクリニック(名古屋市東区・泌尿器科)が詳しく解説

「健診でPSAが高いと言われた」「前立腺がんは症状がないと聞いたが、どう調べればいいかわからない」「前立腺肥大症と前立腺がんはどう違うのか」「50代・60代になったから前立腺がんが心配」「父親が前立腺がんになったが、自分も検査したほうがいいか」——前立腺がんは日本人男性のがん罹患数第1位であり、年間約10万人が新たに診断されます。最大の特徴は「初期段階では症状がほとんどない」という点であり、症状が出てから受診したときには進行がんになっていることも少なくありません。一方で、早期に発見できれば85〜90%は治癒できる。PSA検査という血液検査一つで早期発見が可能です。名古屋市東区の泌尿器科・名古屋あおいクリニックが、前立腺がんの基礎知識・PSA検査の正しい理解・診断の流れ・治療まで、わかりやすく詳しく解説します。


目次

  1. 前立腺がんとは——日本人男性の罹患数1位
  2. 前立腺がんの症状——なぜ早期には気づかないのか
  3. 前立腺がんのリスク因子——誰が注意すべきか
  4. PSA検査とは——早期発見の唯一の手段
  5. PSA値の正常範囲と異常値の目安
  6. PSA値が高いと言われたら——次のステップ
  7. 前立腺がんの画像検査——MRI・骨シンチグラフィ
  8. 前立腺生検——確定診断の方法
  9. 前立腺がんのグレード・ステージ評価
  10. 前立腺がんの治療選択肢——手術・放射線・ホルモン・監視療法
  11. 前立腺がんと前立腺肥大症の違い——混同しやすいポイント
  12. PSA検査はいつから・どれくらいの頻度で受けるべきか
  13. よくある質問(FAQ)
  14. 名古屋あおいクリニックでの診療について

1. 前立腺がんとは——日本人男性の罹患数1位

前立腺がんの定義

**前立腺がん(Prostate Cancer)**は、前立腺(膀胱の下に位置する精液の一部を分泌する臓器)に発生する悪性腫瘍です。

日本での実態

<cite index=”15-1″>年間でおよそ10万人が新たに診断される「前立腺がん」。その予測死亡数は年間1万人にのぼり、男性にとって深刻な健康問題となっている。</cite>

前立腺がんはかつて欧米に多く日本では少ないとされていましたが、食生活の欧米化・高齢化・PSA検査の普及により急速に増加し、現在は日本人男性のがん罹患数第1位です。

前立腺がんの特徴——「進行が遅い」と「無症状」

前立腺がんの多くは進行が非常に遅く、早期に発見されれば高い治癒率を示します。しかし初期段階では自覚症状がほとんどないという特徴があり、症状が出てから受診した場合には進行がんになっていることがあります。


2. 前立腺がんの症状——なぜ早期には気づかないのか

初期(限局がん)の症状

前立腺がんは初期(前立腺内に限局している段階)ではほとんど無症状です。「おしっこの出が悪い・頻尿」などの症状は、前立腺がんではなく前立腺肥大症によることがほとんどです。

進行した場合の症状

がんが前立腺の外に広がったり・骨や他の臓器に転移した段階で症状が現れます。

  • 骨転移: 腰痛・背中の痛み・脚のしびれ(最も多い転移部位)
  • リンパ節転移: 下肢のむくみ
  • 膀胱・尿管への浸潤: 血尿・排尿困難
  • 脊髄圧迫: 下半身の麻痺・排尿困難(緊急対応が必要)

「症状が出てから受診する」では手遅れになることがあります。症状がない段階でのPSA検査による早期発見が最重要です。


3. 前立腺がんのリスク因子——誰が注意すべきか

主なリスク因子

年齢(最大のリスク因子): <cite index=”17-1″>罹患数は年齢とともに上昇し、50歳後半から増えはじめ、60歳で急激に増加し、70歳でピークを迎えます。</cite>

家族歴: 父親・兄弟が前立腺がんにかかった場合、リスクが2〜3倍高くなります。家族歴がある場合は早めの(40歳代からの)PSA検査開始が推奨されます。

遺伝的要因(BRCA2変異等): BRCA2遺伝子変異がある場合は前立腺がんリスクが高くなります。

食生活・生活習慣: 高脂肪・高カロリーの食事(特に赤肉・加工肉)・肥満はリスク上昇と関連します。

PSA検査を特に推奨する方:

  • 50歳以上の男性
  • 前立腺がんの家族歴がある方(40歳代から推奨)
  • 前立腺肥大症の診断を受けている方
  • PSA値の経年変化が気になる方

4. PSA検査とは——早期発見の唯一の手段

PSAとは

<cite index=”16-1″>PSA(prostate specific antigen)は、前立腺から分泌されるタンパク質の一種です。PSA検査では血液を採取し、血液中に含まれるこのPSAの濃度を測定します。PSAのほとんどは精液中に分泌されますが、ごく微量は血液中に取り込まれます。そのため、正常な状態であれば血液中に存在するPSAの量はごくわずかです。しかし、前立腺がんや前立腺肥大症、前立腺炎などの病気があると、PSAが血液中に漏れ出して血液中のPSAの濃度が高まります。</cite>

PSA検査の特徴——簡単・安価・痛みがない

<cite index=”18-1″>早期に見つける方法は、通常の血液検査で行える「PSA検査」のみです。この検査は、最近では自治体のがん検診や人間ドックなどでも行われるようになってきています。クリニックや病院でも手軽に受けられる検査です。</cite>

  • 方法: 採血(通常の血液検査と同じ)
  • 痛み: 採血のみで、特別な痛みはない
  • 費用: 健康診断オプションとして数千円程度(保険適用は前立腺がん・前立腺肥大症等の疑いがある場合)
  • 結果: 通常数日以内

PSA検査の限界

PSA値は前立腺がん以外でも上昇することがあります(前立腺肥大症・前立腺炎・射精後・自転車乗車後等)。そのため、PSA値が高いことは「前立腺がんの可能性がある」というスクリーニングであり、PSA値が高くても必ずしもがんとは限りません。また、PSA値が正常でもがんが存在する場合があります(偽陰性)。


5. PSA値の正常範囲と異常値の目安

年齢別のPSA基準値

<cite index=”18-1″>年齢が上がるにつれて、正常値は高くなる傾向にあります。</cite>

年齢PSA基準値の目安
50〜64歳3.0 ng/mL以下
65〜69歳3.5 ng/mL以下
70歳以上4.0 ng/mL以下

※施設・ガイドラインによって基準値は異なる場合があります。

PSA値と前立腺がんの関係

<cite index=”19-1″>PSA値は、高くなるほど前立腺がんの可能性が高まります。とくに10.0ng/mlを超える場合はがんが疑われ、精密検査を強く推奨します。ただし、PSAの値が正常範囲でも前立腺がんが見つかることもあれば、反対に数値が高くてもがんではない場合もあります。</cite>

PSA値(ng/mL)がんの可能性の目安
基準値以下低い(ただし完全に否定はできない)
基準値〜10未満グレーゾーン(精査が必要な場合がある)
10〜20がんの可能性が高くなる
20以上がんの可能性が非常に高い・進行がんの可能性

6. PSA値が高いと言われたら——次のステップ

慌てない・すぐに生検ではない

PSA値が高くても、すぐに前立腺がんと診断されるわけではありません。以下のステップで精密検査を進めます。

ステップ①:再検査 PSA値は一時的な要因(前立腺炎・射精・自転車乗車等)で上昇することがあります。数週間後に再検査して値が持続して高いかどうかを確認します。

ステップ②:直腸診(DRE) <cite index=”19-1″>直腸診は、肛門から指を入れて、前立腺の状態を直接触って調べる検査です。前立腺の硬さや大きさ、表面に凹凸がないかを触診で確認します。</cite>

ステップ③:MRI検査 MRI(特にマルチパラメトリックMRI:mp-MRI)は前立腺内の病変の位置・範囲・悪性度の推定に非常に有用な画像検査です。生検前のMRI評価が国際的な標準になりつつあります。

ステップ④:前立腺生検 確定診断に必要な組織の採取。PSA・MRI・直腸診の結果を総合して生検の必要性を判断します。


7. 前立腺がんの画像検査——MRI・骨シンチグラフィ

MRI(mpMRI)

マルチパラメトリックMRI(mpMRI)は、前立腺内の腫瘍の位置・大きさ・被膜への浸潤・精嚢への浸潤を評価する最も重要な画像検査です。

<cite index=”14-1″>最新の「標的生検」で前立腺がんの確定診断の精度が高まりますが、その前にスクリーニングでPSA検査を行なってがんの可能性を調べることも大事です。</cite>

MRIで疑わしい部位を同定した上で、その部位を狙った「MRI融合標的生検」により、生検の精度が大幅に向上しています。

骨シンチグラフィ

前立腺がんの骨転移を検索するための核医学検査です。PSA値が高い・リスクの高い場合に施行されます。


8. 前立腺生検——確定診断の方法

生検の方法

前立腺がんの確定診断には、前立腺組織を採取して病理学的に調べる「生検」が必要です。

経直腸的前立腺生検: 超音波ガイド下に肛門から針を刺して組織を採取。従来の標準的な方法。

経会陰的前立腺生検: 会陰部(肛門と陰嚢の間)から針を刺す方法。感染症のリスクが低く、近年増加しています。

生検後の注意点

  • 出血(血尿・血便・精液への混入)が数日〜数週間続くことがある
  • 発熱・排尿困難が出た場合は速やかに受診

9. 前立腺がんのグレード・ステージ評価

グリーソンスコア・グレードグループ

前立腺がんの悪性度は「グリーソンスコア(Gleason Score)」または新しい分類「グレードグループ(Grade Group:1〜5)」で評価されます。

  • グレードグループ1(低リスク): 最も進行が遅い・監視療法が選択肢
  • グレードグループ5(高リスク): 積極的な治療が必要

TNM病期分類

腫瘍の局所広がり(T)・リンパ節転移(N)・遠隔転移(M)で病期を分類します。


10. 前立腺がんの治療選択肢——手術・放射線・ホルモン・監視療法

限局がん(前立腺内に限局)の治療

①監視療法(Active Surveillance): 低リスクの限局がんでは、すぐに治療を開始せずPSA・生検で定期的に監視し、進行した場合に治療を開始する方法。過剰治療を避けるために重要な選択肢。

②根治的前立腺全摘除術: 前立腺を手術で完全に摘除します。ロボット支援腹腔鏡下前立腺全摘除術(da Vinci手術)が現在の主流です。神経温存術式により尿禁制(尿漏れ)・性機能の温存が図られます。

③放射線治療:

  • 外部照射(IMRT・VMAT等): 高精度の放射線を外から照射
  • 小線源療法(ブラキセラピー): 前立腺内に放射線源を埋め込む

<cite index=”14-1″>前立腺がんの治療法は手術や放射線治療ですが、ともに技術が進歩しており、早期に発見できれば85〜90%は治せるといわれています。</cite>

転移・進行がんへの治療

ホルモン療法(内分泌療法): 前立腺がんは男性ホルモン(テストステロン)に依存して増殖します。LH-RHアゴニスト・アンタゴニスト・抗アンドロゲン薬等でテストステロンを低下させます。

化学療法・分子標的薬: ホルモン療法抵抗性になった後に使用します。


11. 前立腺がんと前立腺肥大症の違い——混同しやすいポイント

比較前立腺がん前立腺肥大症(BPH)
発生部位前立腺の外腺(末梢帯)前立腺の内腺(移行帯)
症状初期は無症状頻尿・尿線細小・残尿感・夜間頻尿
PSA値上昇することが多い上昇することがある(がんより緩やか)
悪性度悪性腫瘍(がん)良性腫瘍
がんへの移行前立腺肥大症はがんにはならない

重要:「前立腺肥大症があるからがんではない」とはなりません。前立腺肥大症とがんが同時に存在することがあります。前立腺肥大症がある方も定期的なPSA検査が必要です。


12. PSA検査はいつから・どれくらいの頻度で受けるべきか

<cite index=”14-1″>日本泌尿器科学会の「前立腺がん検診ガイドライン」では、50歳を超えれば血液検査でPSAの値を測り、5年ごとを目安に定期的に検査を受けることを推奨しています。</cite>

当院の推奨

  • 50歳以上の男性: 年1回のPSA検査を推奨
  • 家族歴がある方: 40歳代から開始を推奨
  • 前立腺肥大症の診断がある方: 定期的(年1回)のPSA検査
  • PSA値が以前より上昇傾向にある方: より頻回の検査と泌尿器科への受診

13. よくある質問(FAQ)

Q. 前立腺がんは遺伝しますか?

A. 遺伝的な素因があります。父親・兄弟が前立腺がんと診断された場合、リスクが2〜3倍高くなることが知られています。家族歴がある方は40歳代からのPSA検査開始を泌尿器科医に相談してください。

Q. PSA値が4.5でした。すぐに生検が必要ですか?

A. PSA値だけで直ちに生検が必要かどうかは判断できません。年齢・直腸診の結果・PSA値の経年変化・MRI所見などを総合的に評価して判断します。まず泌尿器科を受診してご相談ください。

Q. 前立腺がんになったら、すぐに手術が必要ですか?

A. 必ずしもそうではありません。低リスクの限局がんでは「監視療法(Active Surveillance)」として、すぐに手術・放射線治療を行わず定期的に経過観察し、進行した場合に治療を開始する方法も標準的な選択肢のひとつです。ただし病期・悪性度・患者さんの年齢・全身状態によって治療方針は大きく異なります。

Q. 前立腺がんの症状はどんなものですか?早期のうちに気づけますか?

A. 早期(限局がん)では症状がほとんどありません。「排尿が悪い・頻尿」などの症状は前立腺肥大症によることが多く、早期の前立腺がんとは別の問題です。自覚症状で早期がんに気づくことは困難であり、定期的なPSA検査による発見が最善の方法です。


14. 名古屋あおいクリニックでの診療について

名古屋市東区にある**名古屋あおいクリニック(泌尿器科・皮膚科・内科)**では、前立腺がんのスクリーニング(PSA検査)・精密検査の評価・専門医療機関への紹介に対応しています。

当院で対応できる主な内容

  • PSA検査(血液検査:保険診療・自費どちらも対応)
  • 直腸診(前立腺の触診評価)
  • PSA値の経年変化の評価・フォローアップ
  • 前立腺エコー検査
  • 精密検査(MRI・生検)が必要な場合の専門病院への紹介
  • 前立腺肥大症と前立腺がんの鑑別評価
  • 前立腺がん治療後のフォローアップ(PSA管理)

こんな方はぜひご相談ください

  • 50歳以上で一度もPSA検査を受けたことがない
  • 健診でPSA値が高いと言われた
  • 父親や兄弟が前立腺がんになった
  • 前立腺肥大症と診断されているが、がんの検査もしたい
  • 前立腺がんの治療後の経過観察を受けたい

「前立腺がんは早期に発見できれば85〜90%が治せるがんです。50歳を過ぎたら、まずPSA検査を受けてください。」


まとめ

  • 前立腺がんは日本人男性のがん罹患数第1位・年間約10万人が診断されます
  • 初期段階では自覚症状がほとんどなく、PSA検査による定期スクリーニングが早期発見の唯一の方法です
  • PSA値が高い場合は、再検査→直腸診→MRI→生検という段階的な精査が行われます
  • 早期に発見できれば85〜90%は治せる治癒率の高いがんです
  • 日本泌尿器科学会は50歳以上の男性に定期的なPSA検査を推奨しています
  • 家族歴がある方は40歳代からの検査開始を泌尿器科医に相談してください
  • 前立腺肥大症があっても、がんが同時に存在することがあります。定期的なPSA検査が必要です

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【アクセス】 高岳駅より徒歩4分 新栄町駅より徒歩5分

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