頭のフケの原因・予防・診断・治療法|皮膚科医が徹底解説

名古屋市東区の皮膚科クリニック 名古屋あおいクリニック

頭のフケの原因・予防・診断・治療法|皮膚科医が徹底解説

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はじめに

「肩に白いフケが落ちて恥ずかしい」「シャンプーしても翌日にはフケが出る」「頭がかゆくてたまらない」「フケが大きくてべたついている」——

フケの悩みは、男女・年齢を問わず非常に多くの方が抱えています。

「清潔にしていないから」と思われるのではと気になる方も多いですが、フケは単なる不衛生の問題ではなく、頭皮の皮膚状態・常在菌のバランス・皮脂分泌・生活習慣など、様々な要因が絡み合って生じます。

また、フケが多い・かゆみが強い・頭皮が赤い・べたつくといった場合は、**脂漏性皮膚炎(しろうせいひふえん)**などの皮膚疾患が背景にあることもあります。

今回は、フケの原因・種類・予防・皮膚科での診断・治療法について、名古屋市東区の皮膚科・名古屋あおいクリニックが詳しく解説します。


フケとは?基本的なしくみ

フケが生じるメカニズム

皮膚は常に新しい細胞が作られ、古い角質が自然にはがれ落ちるターンオーバーを繰り返しています。

頭皮でも同様に古い角質がはがれ落ちますが、通常のターンオーバーでは非常に細かい粒子となって目立ちません。

しかし、以下の状態になると、角質が大きな塊としてはがれ落ち、目に見える「フケ」として現れます。

  • 頭皮のターンオーバーが乱れて角質が過剰に蓄積する
  • 頭皮が乾燥して角質層が不安定になる
  • 頭皮の炎症により角質の産生が過剰になる
  • 常在菌(マラセチア)の過剰増殖により頭皮への刺激が生じる

フケの有病率

フケ(脂漏性皮膚炎を含む)は、世界人口の約50%が生涯に一度は経験するとされる非常に一般的な頭皮の状態です。特に20〜40代の成人に多く、男性にやや多い傾向があります。


フケの種類:乾性フケ vs 脂性フケ

フケには大きく2種類あり、種類によって原因・対処法が異なります。

① 乾性フケ(パラパラとした白い細かいフケ)

特徴

  • 細かくサラサラした白色のフケ
  • 肩・衣服に落ちやすい
  • 頭皮が乾燥してカサカサしている
  • かゆみを伴うことがある
  • 冬・乾燥する季節に悪化しやすい

主な原因

  • 頭皮の乾燥(洗いすぎ・シャンプーの刺激・乾燥した環境)
  • 紫外線ダメージ
  • 加齢による皮脂分泌の低下
  • 刺激の強いシャンプーの使用

② 脂性フケ(べたついた大きなフケ)

特徴

  • 大きくべたついた黄白色のフケ
  • 頭皮にくっついていることが多い
  • 頭皮が脂っぽい・赤みがある
  • かゆみが強いことが多い
  • 夏・湿度の高い季節に悪化しやすい

主な原因

  • 皮脂の過剰分泌
  • マラセチア(皮膚常在真菌)の過剰増殖
  • 脂漏性皮膚炎

フケの主な原因

① マラセチア(皮膚常在真菌)の過剰増殖

フケの最も重要な原因のひとつが、**マラセチア(Malassezia)**という皮膚に常在する真菌(カビの一種)の過剰増殖です。

マラセチアは誰の頭皮にも存在する常在菌ですが、皮脂を好む性質があり、皮脂分泌が多い頭皮では過剰に増殖します。

マラセチアが皮脂を分解する際に生じる遊離脂肪酸が頭皮を刺激し、炎症・ターンオーバーの促進・フケの大量発生につながります。

② 脂漏性皮膚炎(しろうせいひふえん)

脂漏性皮膚炎は、皮脂の多い部位(頭皮・顔の中央・耳・胸)に生じる慢性的な炎症性皮膚疾患です。

マラセチアの過剰増殖・皮脂の異常分泌・免疫反応が複合的に関与します。

頭皮の脂漏性皮膚炎の特徴

  • べたついた黄白色の大きなフケ
  • 頭皮の赤み・炎症
  • 強いかゆみ
  • 頭皮がべたつく・脂っぽい臭いがする
  • 額・耳の周囲・首の後ろにも広がることがある
  • 悪化・寛解を繰り返す慢性経過

脂漏性皮膚炎はフケの最も多い医学的原因であり、適切な治療が必要です。

③ 乾燥(頭皮の乾燥)

頭皮が過度に乾燥すると、角質層のバリア機能が低下し、細かいフケが生じます。

乾燥の主な原因

  • 洗浄力の強すぎるシャンプーによる皮脂の取りすぎ
  • 熱すぎるお湯での洗髪
  • ドライヤーの長時間・近距離使用
  • 冬の乾燥した空気
  • エアコンによる室内の乾燥
  • 紫外線ダメージ

④ 不適切なヘアケア

洗いすぎ・洗わなすぎ 頭皮を洗いすぎると皮脂が過度に除去され、乾燥・皮脂の過剰分泌(リバウンド)につながります。一方、洗わなすぎると皮脂・汚れが蓄積し、マラセチアの温床になります。

シャンプーの種類 硫酸系界面活性剤を多く含む洗浄力の強いシャンプーは、頭皮への刺激が強く、乾燥・炎症の原因になることがあります。

すすぎ不足 シャンプー・コンディショナーの残留は、頭皮への刺激・毛穴詰まりの原因になります。

ドライヤーの使い方 濡れたまま放置すると蒸れや菌の繁殖につながり、熱すぎるドライヤーは乾燥の原因になります。

⑤ ホルモンバランスの変化

皮脂分泌はアンドロゲン(男性ホルモン)の影響を強く受けます。

  • 思春期:アンドロゲンの急増により皮脂分泌が増加し、フケが出やすくなる
  • ストレス:コルチゾール(ストレスホルモン)が皮脂分泌を促進
  • 生理前後・妊娠・更年期:ホルモンバランスの変化で頭皮の状態が変わりやすい

⑥ 生活習慣・食事

  • 睡眠不足:ターンオーバーの乱れ・皮脂分泌の増加
  • 脂質・糖質の多い食事:皮脂分泌の増加
  • ビタミンB群の不足:脂質代謝・皮膚の健康に関与
  • 飲酒:皮脂分泌の増加・マラセチアの増殖促進
  • 喫煙:頭皮の血流低下・皮膚状態の悪化

⑦ ストレス・疲労

精神的ストレス・慢性疲労は、免疫機能の低下・ホルモンバランスの乱れを通じて、フケ・脂漏性皮膚炎を悪化させます。

「ストレスが多い時期にフケが増える」という経験をお持ちの方は多いと思いますが、これは医学的に根拠のあることです。

⑧ その他の頭皮疾患

フケに似た症状が、以下の疾患によって引き起こされることもあります。

疾患フケとの違い
乾癬(かんせん)銀白色の厚い鱗屑(うろこ状のかさぶた)・境界明瞭な赤い斑・全身に出ることもある
アトピー性皮膚炎強いかゆみ・乾燥・他の部位にも湿疹が出る
接触性皮膚炎シャンプー・カラー剤・整髪料などへのアレルギー・かぶれ
毛包炎(もうほうえん)毛穴を中心とした赤みのある小さなぶつぶつ・痛みを伴うことも

自己判断では区別が難しいため、フケが強い・改善しない場合は皮膚科での診断が重要です。


フケの予防:日常でできるケア

① 正しいシャンプーの仕方

頻度 毎日または1日おきが基本です。洗いすぎも洗わなすぎも頭皮トラブルの原因になります。

お湯の温度 38〜40℃のぬるめのお湯が最適です。熱すぎるお湯は皮脂を過度に取り除き、乾燥・フケの原因になります。

シャンプーの仕方

  • シャンプー前にお湯でしっかり予洗い(1〜2分)
  • シャンプーは手のひらで泡立ててから頭皮につける
  • 指の腹(爪ではなく腹の部分)で頭皮をマッサージするように洗う
  • ゴシゴシ力任せに洗わない(頭皮を傷つける)
  • すすぎは丁寧に・念入りに(すすぎ残しに注意)

シャンプーの選び方

  • 乾性フケ:保湿成分配合・低刺激のシャンプー
  • 脂性フケ・脂漏性皮膚炎:抗真菌成分(ピロクトンオラミン・ジンクピリチオン・ケトコナゾール)配合のシャンプー
  • 敏感な頭皮:アミノ酸系界面活性剤使用のシャンプー

② ドライヤーの正しい使い方

  • 洗髪後はなるべく早くドライヤーで乾かす(濡れたまま放置しない)
  • ドライヤーは頭皮から15〜20cm程度離して使用する
  • 熱風を同じ場所に当て続けない
  • 8割程度乾いたら冷風に切り替えると熱ダメージを軽減できる

③ 頭皮の保湿

乾性フケが気になる方は、洗髪後に頭皮用の保湿ローション・美容液を使用することで、頭皮のバリア機能を整えることができます。

④ 生活習慣の改善

  • 十分な睡眠(7〜8時間):ターンオーバーの正常化
  • バランスの良い食事:ビタミンB2・B6・亜鉛・ビタミンEを含む食品を意識する
  • ストレスの管理:ストレスは皮脂分泌を増加させフケを悪化させます
  • 適度な運動:血行促進・ストレス軽減
  • 飲酒・喫煙を控える

⑤ 紫外線対策

頭皮も紫外線ダメージを受けます。夏場は帽子・日傘・頭皮用UVスプレーで保護しましょう。

⑥ ヘアカラー・パーマの頻度に注意

カラー剤・パーマ液は頭皮への刺激が強く、頭皮の状態を悪化させることがあります。施術の間隔を適切に空け、頭皮への刺激を最小限にするよう心がけましょう。


皮膚科での診断

どんな時に皮膚科を受診すべき?

以下に当てはまる場合は、市販品での対処に限界があり、皮膚科への受診をおすすめします。

✔ フケが多い・かゆみが強い状態が1ヶ月以上続いている

✔ 市販のフケ用シャンプーを使っても改善しない

✔ 頭皮に赤み・炎症・ただれがある

✔ フケが銀白色で厚い(乾癬が疑われる)

✔ フケ以外に顔・耳・胸にも湿疹・赤みがある

✔ 抜け毛が増えてきた・薄毛が気になる

✔ ヘアカラー・シャンプー後に頭皮がひどく荒れた

皮膚科での診断の流れ

問診

  • フケの性状(乾燥・べたつき)・出始めた時期
  • かゆみの強さ・炎症の有無
  • 使用しているシャンプー・ヘアケア製品
  • 生活習慣(食事・睡眠・ストレス)
  • 他の皮膚疾患・アレルギーの有無

視診・頭皮の観察

  • フケの性状・頭皮の色・炎症の程度
  • 必要に応じてダーモスコープ(皮膚鏡)での頭皮観察
  • 顔・耳・胸など他の脂漏部位の確認

必要に応じた検査

  • 真菌検査(マラセチアの確認)
  • パッチテスト(接触性皮膚炎が疑われる場合)

皮膚科での治療法

① 抗真菌薬シャンプー(ケトコナゾールシャンプー)

脂漏性皮膚炎・マラセチアの過剰増殖が原因のフケに対する最も効果的な治療のひとつです。

ケトコナゾールはマラセチアに対して強い抗真菌作用を持ち、フケの原因菌を直接抑制します。

日本では**ニゾラールシャンプー(処方薬)**として医師の処方のもとで使用します。

使用方法

  • 週2〜3回、頭皮に塗布して数分間放置後、洗い流す
  • 改善後は再発予防のため、週1回程度の継続使用を検討

② ステロイド外用薬

頭皮の炎症・かゆみが強い場合に、ステロイドローション・スプレーを使用します。

炎症を速やかに鎮め、かゆみ・赤みを改善します。長期使用には注意が必要なため、医師の指示のもとで適切な強さ・期間で使用します。

③ 保湿外用薬

乾燥が主な原因のフケには、ヘパリン類似物質ローション・尿素配合クリームなどの保湿剤を頭皮に使用します。

④ タクロリムス外用薬(プロトピック)

ステロイドが使いにくい部位・長期使用が必要な場合に、免疫調節作用を持つタクロリムスを使用することがあります。

⑤ 内服薬

重症の脂漏性皮膚炎・全身に広がっている場合は、抗真菌薬の内服を検討することがあります。

かゆみが強い場合は抗ヒスタミン薬の内服を併用することもあります。

⑥ 乾癬の治療

フケの原因が乾癬である場合は、ステロイド外用薬・ビタミンD3誘導体外用薬(カルシポトリオール)・紫外線療法などで治療します。


よくある質問(FAQ)

Q. 毎日シャンプーするとフケが増えますか?

A. 適切なシャンプーであれば毎日洗っても問題ありません。むしろ、皮脂・汚れを適切に除去することでマラセチアの増殖を抑え、フケを減らす効果があります。ただし、洗浄力が強すぎるシャンプーや熱すぎるお湯は乾燥の原因になるため注意が必要です。

Q. フケ用シャンプーを毎日使ってもいいですか?

A. 抗真菌成分配合のフケ用シャンプーは、週2〜3回の使用が一般的な目安です。毎日使うと頭皮に刺激になる場合があります。医師の指示に従って使用してください。

Q. フケと薄毛は関係がありますか?

A. 脂漏性皮膚炎などによる頭皮の慢性炎症は、毛根へのダメージを通じて抜け毛・薄毛(AGA)のリスクを高める可能性があります。フケが多い・頭皮の炎症がある・抜け毛が増えてきたという場合は、皮膚科への早めの相談をおすすめします。

Q. ストレスでフケが増えることはありますか?

A. あります。ストレスはコルチゾールの分泌を増加させ、皮脂分泌の促進・免疫機能の低下を通じてマラセチアの増殖・脂漏性皮膚炎の悪化につながります。「ストレスが多い時期にフケが増える」というパターンは医学的に説明できることです。

Q. 子どもにもフケは出ますか?

A. はい。乳幼児の「乳痂(にゅうか)」(頭の脂漏性皮膚炎)や、思春期以降の皮脂増加に伴うフケは子どもにも見られます。子どもの頭皮トラブルが気になる場合は皮膚科へご相談ください。

Q. ヘアカラーをするとフケが増えますか?

A. カラー剤の刺激が頭皮炎症・バリア機能低下の原因となり、フケが増えることがあります。頭皮が荒れやすい方は、刺激の少ないカラー剤の選択・施術頻度の見直しを検討してください。


まとめ

頭のフケは、

  • 乾性フケ(乾燥・細かい白いフケ)と脂性フケ(べたついた大きなフケ)の2種類がある
  • 主な原因は、マラセチアの過剰増殖・脂漏性皮膚炎・頭皮の乾燥・不適切なヘアケア・ホルモン・生活習慣・ストレス
  • 乾癬・アトピー性皮膚炎・接触性皮膚炎などの皮膚疾患が原因のこともある
  • 予防の基本は正しいシャンプーの仕方・保湿・生活習慣の改善
  • 市販品で改善しない・炎症・赤みがある場合は皮膚科での診断・治療が必要
  • 皮膚科ではケトコナゾールシャンプー・ステロイド外用薬・抗真菌薬などで効果的に治療できる

「フケが恥ずかしい」「市販品を試したけど改善しない」という方は、ぜひ一度皮膚科へご相談ください。

名古屋市東区の皮膚科・名古屋あおいクリニックでは、フケ・脂漏性皮膚炎・頭皮のかゆみ・乾癬など、頭皮のお悩みについて丁寧に診察・治療しています。


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