手にも白癬(水虫)はうつる?症状と治療について

手にも白癬(水虫)はうつる?症状と治療について

名古屋市東区の皮膚科・美容皮膚科 名古屋あおいクリニック

「水虫は足にできる病気」というイメージを持っている方は多いかもしれません。しかし、白癬菌(はくせんきん)というカビ(真菌)の一種は手にも感染することがあり、これを**手白癬(てはくせん)**と呼びます。

手荒れや湿疹と思い込んで市販薬を塗り続けているうちに悪化してしまうケースも少なくありません。特に皮膚科では、「なかなか治らない手湿疹」として来院された患者様が、実は手白癬だったということもあります。

今回は、手白癬の原因や症状、診断方法、治療法について詳しく解説します。


白癬とは?

白癬とは、白癬菌という真菌(カビ)が皮膚や爪に感染する病気です。

白癬菌はケラチンというタンパク質を栄養源としているため、以下のような部位に感染します。

  • 足(足白癬・水虫)
  • 手(手白癬)
  • 爪(爪白癬)
  • 股部(いんきんたむし)
  • 体(ぜにたむし)
  • 頭部(しらくも)

その中でも最も多いのが足白癬であり、手白癬の多くは足白癬から感染が広がることで発症します。


手白癬はどのように感染するの?

最も多い原因は、自分の足の水虫から手へ感染するケースです。

例えば、

  • 水虫のある足を触る
  • 爪白癬のある爪を触る
  • 入浴時に患部を洗う
  • 靴下を履く際に足を触る

などを繰り返すことで、手に白癬菌が付着し感染することがあります。

特に利き手に発症しやすいことが特徴です。

また、

  • 家族に水虫の人がいる
  • スポーツジムや温泉をよく利用する
  • ペットから感染する

場合もあります。


手白癬の症状

① 手のひらがガサガサになる

最も多い症状です。

  • 手のひらの皮膚が厚くなる
  • カサカサする
  • 白く粉を吹く
  • 皮がむける

などの症状が現れます。

特に片手だけに症状が出ることが特徴です。


② 指の間がむける

足の水虫と同様に、

  • 指の間の皮むけ
  • 赤み
  • かゆみ

が出ることがあります。


③ 小さな水ぶくれ

手のひらや指の側面に

  • 小さな水疱
  • 強いかゆみ

が出現することがあります。

汗疱(かんぽう)や手湿疹と間違われることも少なくありません。


④ 爪の変形

白癬菌が爪まで感染すると、

  • 爪が厚くなる
  • 白く濁る
  • ボロボロになる

などの爪白癬を合併することがあります。


手湿疹との違い

手白癬と間違えやすい病気として手湿疹があります。

手白癬の特徴

  • 片手だけに出ることが多い
  • 足にも水虫があることが多い
  • 徐々に広がる
  • 市販の湿疹薬で改善しない

手湿疹の特徴

  • 両手に出ることが多い
  • 洗剤やアルコールで悪化
  • 季節変動がある
  • ステロイドで改善する

ただし見た目だけでは区別できないため、正確な診断には検査が必要です。


注意が必要な「片手二足症候群」

皮膚科では有名な所見として、

片方の手と両足に白癬がある状態

を「片手二足症候群」と呼びます。

特徴

  • 両足に水虫がある
  • 片手だけが荒れている
  • 長期間治らない

この組み合わせがある場合は手白癬を強く疑います。


どのように診断するの?

KOH直接鏡検

最も重要な検査です。

皮膚の表面を少量採取し、

水酸化カリウム(KOH)で処理して顕微鏡で観察します。

白癬菌の菌糸が確認できれば診断が確定します。

検査時間は数分程度で、皮膚科外来で行うことができます。


間違った治療で悪化することも

手湿疹と思い込んでステロイド外用薬のみを使用すると、

  • 白癬菌が増殖する
  • 症状が広がる
  • 診断が難しくなる

ことがあります。

これを「異型白癬(ステロイド変調白癬)」と呼びます。

なかなか治らない手荒れでは、まず白癬の有無を確認することが大切です。


手白癬の治療

抗真菌外用薬

軽症の場合は塗り薬で治療します。

代表的な薬剤として、

  • ルリコン®(ルリコナゾール)
  • ラミシール®(テルビナフィン)
  • アスタット®(ラノコナゾール)
  • ニゾラール®(ケトコナゾール)

などがあります。

症状が改善しても自己判断で中止せず、医師の指示に従って継続することが重要です。


抗真菌内服薬

以下の場合は飲み薬が必要になることがあります。

  • 広範囲に及ぶ
  • 再発を繰り返す
  • 爪白癬を合併している

代表的な薬剤

  • テルビナフィン
  • イトラコナゾール

内服治療では肝機能検査を行いながら安全に治療を進めます。


再発予防のポイント

足の水虫を同時に治療する

手白癬の多くは足白癬が原因です。

手だけ治療しても足の水虫が残っていると再感染を繰り返します。


爪白癬を放置しない

爪白癬は白癬菌の温床となります。

治療期間は長くなりますが、根本的な治療が大切です。


家族内感染対策

  • バスマットを共有しない
  • タオルを分ける
  • スリッパを共有しない
  • 足を清潔に保つ

ことも重要です。


まとめ

手にも白癬菌は感染し、手白癬を発症することがあります。

特に、

  • 片手だけの手荒れ
  • なかなか治らない手湿疹
  • 両足に水虫がある
  • 爪白癬がある

場合には手白癬を疑う必要があります。

見た目だけでは湿疹との区別が難しいため、皮膚科で診察を受けることが重要です。

名古屋あおいクリニックでは、手荒れや湿疹、水虫、爪白癬などの皮膚疾患に対して適切な検査と治療を行っています。

「手湿疹だと思っていたけれど治らない」「片手だけガサガサしている」「足の水虫もある」という方は、お気軽にご相談ください。

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