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慢性前立腺炎・慢性骨盤痛症候群——「異常なし」と言われた会陰部の痛み。原因が一つではない理由と、多面的な治療を名古屋あおいクリニック(名古屋市東区・泌尿器科)が詳しく解説
慢性前立腺炎・慢性骨盤痛症候群——「異常なし」と言われた会陰部の痛み。原因が一つではない理由と、多面的な治療を名古屋あおいクリニック(名古屋市東区・泌尿器科)が詳しく解説
「肛門と陰嚢の間が、ずっと重苦しい」「座っていると痛みが強くなり、デスクワークがつらい」「頻尿と残尿感が続くが、検査では細菌が出ない」「射精のときや、その後に痛む」「抗生物質を何度も飲んだが、良くならない」「複数の病院で『異常なし』と言われた」「もう治らないのではないかと、不安でたまらない」——慢性前立腺炎・慢性骨盤痛症候群は、泌尿器科で最も「行き場を失いやすい」疾患のひとつです。
そして、この記事で最もお伝えしたいことが3つあります。
第一に、これは実在する疾患です。
検査で異常が出ないからといって、「気のせい」ではありません。
第二に、「前立腺の細菌感染」ではないことがほとんどです。
前立腺炎と呼ばれていますが、実際には
- 骨盤底の筋肉の緊張
- 神経の過敏化
- 心理的な要因
——といった複数の要素が絡み合っています。
だから、抗生物質だけでは治りません。
第三に、治療の方向性があります。
「完治」を目指すというより、症状をコントロールし、生活を取り戻すという考え方になります。
名古屋市東区(高岳駅・新栄町駅)の名古屋あおいクリニック泌尿器科が、この疾患の正体、なぜ治りにくいのか、そして多面的な治療について、詳しく解説します。
目次
- 前立腺炎には、4つのタイプがあります【比較表】
- 【重要】最も多いのは「細菌がいないタイプ」です
- 主な症状【比較表】
- 【最重要】「前立腺だけの問題」ではありません
- 骨盤底筋の緊張——重要な要素です
- 神経の過敏化——痛みが続く仕組み
- 心理的な要因について
- どんな人に多いのか【比較表】
- 悪化させる要因【比較表】
- 【重要】急性前立腺炎との違い——緊急を要する場合
- 鑑別すべき病気【比較表】
- 検査——「異常なし」の意味
- 【重要】症状のタイプに応じた治療という考え方
- 治療①:薬物療法【比較表】
- 【最重要】抗菌薬を漫然と続けないでください
- 治療②:骨盤底のリラクゼーション
- 【重要】骨盤底筋は「締める」のではなく「緩める」
- 治療③:生活の工夫【比較表】
- 【当院ならでは】心理面へのアプローチ
- 経過と見通し
- よくある心配事Q&A
- 名古屋あおいクリニックでの診療について
1. 前立腺炎には、4つのタイプがあります【比較表】
「前立腺炎」とひとくくりにされますが、実際には性質の異なる4つのタイプがあります。
| 分類 | 名称 | 特徴 |
|---|---|---|
| I型 | 急性細菌性前立腺炎 | 発熱、強い痛み、排尿困難。緊急性が高い |
| II型 | 慢性細菌性前立腺炎 | 細菌が検出される。尿路感染を繰り返す |
| III型 | 慢性前立腺炎/慢性骨盤痛症候群 | 細菌が検出されない。最も多い |
| IV型 | 無症候性炎症性前立腺炎 | 症状がなく、別の検査で偶然見つかる |
圧倒的に多いのはIII型です
前立腺炎と診断される方の大部分が、このIII型にあたります。
そして、III型には細菌がいません。
だから、抗菌薬が効かないのです。
2. 【重要】最も多いのは「細菌がいないタイプ」です
名前が誤解を生んでいます
「前立腺炎」という名前から、多くの方が
「前立腺がばい菌で炎症を起こしている」
——と考えます。
しかし、III型では細菌は検出されません
尿を調べても、前立腺の分泌液を調べても、細菌は出ません。
だから「慢性骨盤痛症候群」とも呼ばれます
この名前が示すとおり、
問題は前立腺だけにあるのではなく、骨盤全体の痛みの問題として捉えられています。
抗菌薬が効かないのは、当然のことです
「何度も抗生物質を飲んだが良くならない」
——これは、治療が失敗しているのではなく、そもそも対象が違うのです。
3. 主な症状【比較表】
| 分類 | 症状 |
|---|---|
| 痛み・不快感 | 会陰部(肛門と陰嚢の間)、下腹部、陰嚢、鼠径部、腰、陰茎の先端、恥骨の上 |
| 排尿症状 | 頻尿、残尿感、尿意切迫感、排尿痛、尿の勢いの低下、排尿後の不快感 |
| 射精に関連 | 射精時の痛み、射精後の痛みや不快感の増強 |
| その他 | 座っていると悪化、下腹部の張り、違和感 |
| 全身・心理面 | 疲労感、不安、気分の落ち込み、睡眠の質の低下 |
「会陰部の不快感」が最も特徴的です
肛門と陰嚢の間——ここに、
- 重苦しい
- 圧迫される感じ
- 座ると押される感じ
- ジンジンする
- 何かが挟まっているような
——こうした感覚が続きます。
「痛み」と表現しにくいこともあります
鋭い痛みではなく、「不快感」「違和感」として感じられることが多く、
人に説明しにくい——これも、この疾患のつらさのひとつです。
座位で悪化します
デスクワーク、長時間の運転、自転車——これらで明らかに悪化するのが典型的です。
4. 【最重要】「前立腺だけの問題」ではありません
この章が、この記事で最も重要な部分です。
単一の原因ではありません
現在、この疾患は「複数の要素が絡み合った状態」と理解されています。
| 要素 | 内容 |
|---|---|
| 骨盤底筋の過緊張 | 骨盤の底の筋肉が、常に緊張している |
| 神経の過敏化 | 痛みを感じる仕組みが、過敏になっている |
| 心理的要因 | 不安、ストレス、症状への注目 |
| 炎症 | 一部の方では、炎症の関与 |
| 排尿の問題 | 排尿の機能の乱れ |
| 感染 | ごく一部(II型) |
だから、一つの薬では治りません
「原因が一つではない」ということは、
「治療も一つではない」ということです。
人によって、主な要素が異なります
- 筋肉の緊張が中心の方
- 神経の過敏さが中心の方
- 不安が症状を強めている方
- 排尿の問題が目立つ方
その方の「どの要素が強いか」を見極めて、組み合わせていく——これが、現在の標準的な考え方です。
5. 骨盤底筋の緊張——重要な要素です
多くの方で、この要素が関わっています。
何が起きているのか
骨盤の底には、内臓を支え、排尿や排便をコントロールする筋肉があります。
この筋肉が、常に緊張した状態になっていると、
- 会陰部の痛み・圧迫感
- 排尿の違和感
- 射精時の痛み
——が生じ得ます。
肩こりと同じような状態です
肩の筋肉が緊張し続けると、肩こりや頭痛が起こります。
それと同じことが、骨盤の底で起きているとイメージしていただくと分かりやすいと思います。
なぜ緊張するのか
- 長時間の座位
- ストレス、不安
- 痛みをかばう姿勢
- 便秘、いきみ
- 冷え
そして、悪循環になります
痛い → 身構える → 筋肉が緊張する → さらに痛い
この輪を断つことが、治療の重要な一部です。
6. 神経の過敏化——痛みが続く仕組み
症状が長引く方で、関わっていることがあります。
痛みが「学習」されます
痛みが長期間続くと、
痛みを伝える神経や、それを受け取る脳の側が、過敏になっていく
——ということが知られています。
その結果
- もとの原因が治まっても、痛みだけが残る
- 本来なら痛くない刺激でも、痛みとして感じる
- 痛みの範囲が広がる
「気のせい」ではありません
これは、実際に神経の働き方が変化している状態です。
「検査で異常がないのに痛い」ことの、医学的な説明のひとつになります。
だから、通常の痛み止めが効きにくい
炎症を抑える薬が効かない場合、神経の過敏さに作用する薬を検討することがあります。
7. 心理的な要因について
この点は、慎重にお伝えする必要があります。
「メンタルの問題」ではありません
まず、はっきりお伝えします。
この疾患は、心因性のものではありません。
「気にしすぎ」「ストレスのせい」で片づけられるものではありません。
しかし、心理的要素は症状に影響します
痛みは、心理状態によって強く感じられたり、和らいだりします。
そして、
- 何か月も原因不明の症状が続く
- 複数の医療機関で「異常なし」と言われる
- がんではないかと不安になる
- 仕事や生活に支障が出る
- 人に相談しにくい
——この状況が続けば、不安や抑うつが生じるのは自然なことです。
そして、それが痛みを強めます
不安 → 身構える → 筋肉が緊張 → 痛みが増す → さらに不安
この悪循環を断つことも、治療の一部になります。
「原因」と「増幅因子」は違います
心理的要因は、この疾患の「原因」ではありません。
しかし、「症状を強める要素」ではあります。
この区別を、正確にお伝えしたいと思います。
8. どんな人に多いのか【比較表】
| 要因 | 内容 |
|---|---|
| 年齢 | 20〜50代(比較的若い世代に多い) |
| 職業 | デスクワーク、長距離運転、長時間の座位 |
| 趣味 | 自転車、バイク(会陰部への圧迫) |
| 生活 | ストレス、疲労、睡眠不足 |
| 体質 | 冷えやすい |
| 排便 | 便秘、強いいきみ |
| その他 | 過度の飲酒、香辛料の摂りすぎ |
「働き盛り」に多い疾患です
仕事が忙しく、座っている時間が長く、ストレスも多い——こうした状況が重なる年代に集中します。
そして、この年代は「休む」ことが最も難しい年代でもあります。
9. 悪化させる要因【比較表】
| 要因 | 内容 |
|---|---|
| 長時間の座位 | 最大の悪化要因 |
| 自転車、バイク | 会陰部への直接的な圧迫 |
| 冷え | 骨盤内の血流低下、筋緊張 |
| アルコール | 前立腺のうっ血 |
| 香辛料、刺激物 | 症状を強めることがあります |
| カフェイン | 排尿症状の悪化 |
| ストレス、疲労 | 筋緊張と痛みの感じ方 |
| 便秘 | 骨盤底への負担 |
| 射精の間隔 | 極端に多い/少ないどちらも影響することがあります |
| 長時間の我慢 | 排尿を我慢しない |
「デスクワーク」との相性が最悪です
座り続けることが、この疾患を最も悪化させます。
しかし、仕事を変えるわけにはいきません。
だからこそ、「座り方」と「休憩の取り方」の工夫が重要になります。(第18章)
10. 【重要】急性前立腺炎との違い——緊急を要する場合
混同してはいけない状態があります。
急性細菌性前立腺炎(I型)
これは、緊急性の高い状態です。
| 症状 | 内容 |
|---|---|
| 発熱 | 38℃以上の高熱、悪寒 |
| 強い排尿痛 | |
| 排尿困難、尿閉 | 尿が出なくなる |
| 強い会陰部痛 | |
| 全身のだるさ | 敗血症に至ることも |
慢性のものとは、まったく異なります
| 急性細菌性(I型) | 慢性骨盤痛症候群(III型) | |
|---|---|---|
| 発熱 | あり(高熱) | なし |
| 発症 | 急激 | 緩やか、長期間 |
| 細菌 | 検出される | 検出されない |
| 緊急性 | 高い | 低い(ただしつらい) |
| 治療 | 抗菌薬が有効 | 多面的な治療 |
発熱を伴う場合は、すぐに受診してください
高熱、悪寒、尿が出ない——これらがあれば、その日のうちに受診してください。
抗菌薬による速やかな治療が必要です。
11. 鑑別すべき病気【比較表】
「会陰部・下腹部の痛み」の背景に、他の病気があることもあります。
| 疾患 | 確認のポイント |
|---|---|
| 尿路結石 | 側腹部の激痛、血尿 |
| 膀胱がん | 痛みを伴わない血尿 |
| 間質性膀胱炎 | 尿が溜まると痛み、排尿で軽快する |
| 精巣上体炎 | 陰嚢の腫れ・痛み、発熱 |
| 性感染症(クラミジア・淋菌) | 尿道の分泌物、排尿痛。若年者では要確認 |
| 鼠径ヘルニア | 鼠径部の膨らみ |
| 肛門疾患(痔、裂肛) | 排便時痛、出血 |
| 腰椎の疾患 | 下肢のしびれ、腰痛 |
| 神経の障害 | 感覚の異常 |
| 前立腺がん | 通常、早期には痛みは伴いません |
まず、これらを除外します
「慢性骨盤痛症候群」は、他の原因を除外したうえで診断されます。
そのため、初回はある程度の検査が必要になります。
尿路結石・血尿については、当院ブログの各記事もご覧ください。
12. 検査——「異常なし」の意味
行う検査
| 検査 | 目的 |
|---|---|
| 問診 | 症状の部位、経過、生活状況。最も重要 |
| 検尿 | 感染、血尿の確認 |
| 尿培養 | 細菌の有無 |
| 超音波検査 | 前立腺、膀胱、残尿、腎臓 |
| PSA | 年齢に応じて。前立腺炎でも上昇します |
| 性感染症の検査 | 必要に応じて |
| 直腸診 | 前立腺の圧痛、硬さ |
「異常なし」は「問題なし」ではありません
この疾患では、
- 血液検査:正常
- 検尿:正常
- 超音波:正常
——となることが、むしろ普通です。
なぜなら、臓器そのものが壊れているわけではないからです。
だから、行き場を失います
「検査は正常です」と言われ、
「では、この痛みは何なのか」
——という状態で、次の病院を探すことになります。
当院では、そこで終わりにしません
検査が正常であることを確認したうえで、
「では、どの要素が症状を作っているのか」を一緒に考えます。
それが、この疾患の診療です。
13. 【重要】症状のタイプに応じた治療という考え方
近年、この疾患の治療では「表現型に応じたアプローチ」が重視されています。
つまり、その人に合わせて組み立てます
症状の中心が何かによって、治療を選びます。
| その方の主な要素 | 重点を置く治療 |
|---|---|
| 排尿症状が中心 | 排尿に作用する薬 |
| 筋肉の緊張が中心 | 骨盤底のリラクゼーション、温熱 |
| 痛みが中心 | 鎮痛薬、神経の過敏さへの薬 |
| 不安・気分の落ち込みが強い | 心理面へのアプローチ |
| 感染が疑われる | 抗菌薬 |
| 前立腺の炎症所見がある | 抗炎症治療 |
「一つの薬で全員が治る」のではありません
この疾患に、万能薬はありません。
その代わり、複数のアプローチを組み合わせることで、改善が期待できます。
時間をかけて調整します
「これを試して、効かなければ次」
——という進め方になります。
そのため、継続して相談できる医療機関があることが重要です。
14. 治療①:薬物療法【比較表】
| 分類 | 内容 | 対象 |
|---|---|---|
| α1遮断薬 | 尿道・前立腺の平滑筋をゆるめる | 排尿症状が強い方(適応外使用を含む) |
| 消炎鎮痛薬 | 痛みを抑える | 痛みが強い時期 |
| 抗菌薬 | 初回に試すことはあるが、長期使用はしない | 感染が疑われる場合 |
| 漢方薬 | 八味地黄丸、桂枝茯苓丸、竜胆瀉肝湯、清心蓮子飲など | 体質・症状に応じて。有用なことが多い |
| 神経障害性疼痛の薬 | 神経の過敏さに作用(適応外使用を含む) | 痛みが長期化している方 |
| 筋緊張を和らげる薬 | 骨盤底の緊張に | 筋緊張が強い方 |
漢方薬が有用なことがあります
この疾患では、漢方薬が選択肢として重要です。
- 冷えや血流の問題に対応できる
- 長期に使いやすい
- 全身の状態を整える
体質と症状に応じて選択します。
15. 【最重要】抗菌薬を漫然と続けないでください
この点を、強くお伝えします。
初回は、試すことがあります
細菌性の可能性を完全には否定できないため、最初に抗菌薬を試すことは、実際に行われます。
しかし、効かなければ続けません
2〜4週間程度使用して効果がなければ、細菌性ではないと考えます。
そこで、方針を切り替える必要があります。
漫然と続けることの問題
- 効果がない
- 耐性菌を生む
- 腸内細菌への影響
- 「治療している」という感覚だけが残り、他の治療に進めない
- 費用と時間の浪費
「何か月も抗生物質を飲んでいる」という方へ
一度、方針を見直すことをおすすめします。
別のアプローチによって、状況が変わる可能性があります。
16. 治療②:骨盤底のリラクゼーション
筋緊張が関わっている方では、非常に重要な治療です。
温める
最も手軽で、効果を実感しやすい方法です。
| 方法 | 内容 |
|---|---|
| 座浴(お尻をお湯につける) | 洗面器やお風呂で、10〜15分程度 |
| 入浴 | シャワーで済ませず、湯船に |
| カイロ | 下腹部、腰、お尻 |
| 服装 | 下半身を冷やさない |
「温めると楽になる」——これは多くの方が実感されます。
ストレッチ
骨盤周囲の筋肉をゆるめます。
- 股関節のストレッチ
- お尻の筋肉のストレッチ
- 腰、太もも裏
- 深呼吸(腹式呼吸)
痛みが出ない範囲で、ゆっくり行ってください。
深い呼吸
息を吐くときに、骨盤の底の力を抜くイメージで。
緊張の緩和に有効です。
17. 【重要】骨盤底筋は「締める」のではなく「緩める」
これは、非常に重要な注意点です。
尿もれの体操とは、逆です
女性の尿もれに対しては、「骨盤底筋を締める」トレーニングを行います。
しかし、慢性骨盤痛症候群では、多くの場合、逆です。
なぜか
この疾患では、骨盤底筋がすでに「緊張しすぎている」状態にあることが多いためです。
そこにさらに締める運動を加えると、症状が悪化することがあります。
目指すのは「脱力」です
- 息を吐きながら、骨盤の底の力を抜く
- 温める
- ストレッチ
- 緊張していることに気づく
「鍛える」のではなく「ゆるめる」——この方向性が、多くの方に当てはまります。
ただし、個人差があります
すべての方に当てはまるわけではありません。
自己判断でトレーニングを始める前に、ご相談ください。
18. 治療③:生活の工夫【比較表】
| 対策 | 具体的な内容 |
|---|---|
| 座り続けない | 1時間に一度は立つ。 これが最も重要 |
| クッションを使う | 円座、ドーナツ型など、会陰部への圧迫を減らすもの |
| 自転車を控える | 症状が強い時期は避ける。サドルの工夫も |
| 温める | 座浴、入浴、下半身の保温 |
| アルコールを控える | 前立腺のうっ血を招きます |
| 刺激物を控える | 香辛料、カフェイン |
| 便秘を改善する | いきみによる負担を減らす |
| 適度な運動 | ウォーキングなど。血流の改善 |
| 排尿を我慢しない | — |
| 睡眠 | 疲労は症状を強めます |
「1時間に一度立つ」が最も現実的です
デスクワークの方に、まずお願いすることです。
- タイマーをセットする
- コピーやトイレのついでに立つ
- 立って作業できる環境があれば活用する
これだけで、症状が変わる方がいます。
クッションの効果
会陰部への圧迫を減らすクッションは、実際に有用です。
「職場で使うのが恥ずかしい」という方もいらっしゃいますが、
目立たないタイプもあります。試す価値はあります。
19. 【当院ならでは】心理面へのアプローチ
この章は、当院の構成に関わる内容です。
不安が、症状を強めます
この疾患では、
- 「がんではないか」という不安
- 「一生治らないのでは」という恐れ
- 症状に注意が向き続けること
- 何をしても改善しないことへの絶望
——これらが、痛みの感じ方を強めます。
そして、抑うつを伴うことがあります
長期間、原因不明の症状に苦しみ、周囲に理解されない。
この状況で、気分が落ち込むのは自然なことです。
「心の問題」と言われることのつらさ
多くの方が、「ストレスでしょう」「気にしすぎ」と言われた経験をお持ちです。
その言葉が、どれほど本人を追い詰めるか——私たちは理解しています。
当院は泌尿器科と精神科を併設しています
- 泌尿器科で、身体の評価と治療を行う
- 必要に応じて、不安や抑うつの側面に対応する
「身体か、心か」ではなく、両方から取り組めることが、当院の役割だと考えています。
そして、心理面への対応は「気のせいだから」という意味ではありません。
痛みを強める要素を減らす、という明確な治療的意図があります。
20. 経過と見通し
「治らない病気」ではありません
多くの方で、症状は時間とともに軽減していきます。
ただし、波があります
- 良くなる時期
- 疲労やストレスで悪化する時期
- 季節(冬に悪化しやすい)
この波を、「治っていない」と受け取らないでください。
波があるのが、この疾患の通常の経過です。
目標は「完治」ではなく「生活を取り戻すこと」
症状がゼロになることを目指すと、達成できずに苦しくなります。
現実的な目標は、
- 仕事に支障が出ない程度に抑える
- 座っていられる時間を延ばす
- 症状があっても、日常生活を送れる
- 悪化したときの対処法を持っている
——これらです。
「付き合い方」を身につける
多くの方が、時間をかけて、自分に合った対処法を見つけていかれます。
「悪化したら温める」「疲れたら早めに休む」「座り続けない」
——こうした対処が身につくと、生活の質は大きく変わります。
21. よくある心配事Q&A
Q. 検査で異常なしと言われました。気のせいでしょうか?
A. 気のせいではありません。 この疾患では、検査が正常であることがむしろ普通です。臓器が壊れているのではなく、筋肉の緊張や神経の過敏さが関わっているためです。「異常なし」は「問題なし」ではありません。
Q. がんではないでしょうか?
A. 前立腺がんは、早期には痛みを伴いません。 また、必要に応じてPSA検査や超音波検査で確認します。心配な点は、検査で確認したうえでご説明します。
Q. 抗生物質を何か月も飲んでいますが、良くなりません。
A. 細菌がいないタイプである可能性が高いです。 2〜4週間試して効果がなければ、方針を切り替えるべきです。漫然と続けることは、耐性菌のリスクもあり推奨されません。
Q. 骨盤底筋のトレーニングをしたほうがよいですか?
A. 注意が必要です。 この疾患では、筋肉が緊張しすぎていることが多く、「締める」運動でかえって悪化することがあります。目指すのは「ゆるめる」ことです。自己判断で始める前にご相談ください。
Q. 座っているとつらいのですが、仕事は続けられますか?
A. 続けられます。 ただし、1時間に一度は立つ、クッションを使うといった工夫が必要です。これだけで変わる方がいます。
Q. 自転車は乗ってよいですか?
A. 症状が強い時期は控えることをおすすめします。 会陰部への直接的な圧迫が、症状を悪化させます。落ち着いてから、サドルの工夫をしたうえで再開を検討しましょう。
Q. ストレスが原因ですか?
A. 原因ではありません。 ただし、症状を強める要素ではあります。 「気のせい」ではなく、痛みの感じ方に影響するという意味です。この違いを、正確にお伝えしたいと思います。
Q. 治りますか?
A. 多くの方で、時間とともに軽減します。 ただし、良くなったり悪くなったりする波があります。「完治」より「生活に支障が出ない状態を保つ」ことを目標にすると、現実的です。
Q. 性感染症ではないですか?
A. 若年の方では、確認する価値があります。 クラミジアなどが背景にあることもあります。必要に応じて検査を行います。
Q. 何科に行けばよいですか?
A. 泌尿器科です。 ただし、不安や気分の落ち込みを伴う場合、そちらへの対応も必要になります。当院は両方を標榜しているため、あわせてご相談いただけます。
22. 名古屋あおいクリニックでの診療について
名古屋市東区・高岳駅から徒歩4分の**名古屋あおいクリニック(皮膚科・美容皮膚科・内科・泌尿器科・児童精神科・精神科)**では、慢性前立腺炎・慢性骨盤痛症候群のご相談に対応しています。
当院での対応内容
- 詳細な問診による症状のタイプの評価
- 検尿・尿培養・超音波検査
- PSA検査(年齢に応じて)
- 他疾患の鑑別(尿路結石、膀胱がん、間質性膀胱炎、性感染症など)
- 性感染症の検査
- 急性細菌性前立腺炎との鑑別
- 症状に応じた薬物療法(α1遮断薬、鎮痛薬、漢方薬など)
- 抗菌薬治療の適切な期間管理
- 骨盤底のリラクゼーションに関する指導
- 生活の工夫に関する具体的な助言
- 精神科との連携(不安・抑うつを伴う場合)
- 継続的なフォローアップ
こんな方はぜひご相談ください
- 会陰部(肛門と陰嚢の間)が重苦しい、痛い
- 座っていると悪化し、デスクワークがつらい
- 頻尿・残尿感が続くが、細菌が出ない
- 射精のとき、またはその後に痛む
- 下腹部、鼠径部、腰に不快感がある
- 抗生物質を何度も飲んだが、良くならない
- 複数の病院で「異常なし」と言われた
- がんではないかと不安でたまらない
- 自転車に乗ると悪化する
- もう治らないのではないかと諦めかけている
「慢性前立腺炎のご相談で、多くの方が『どこに行っても異常なしと言われる』とおっしゃいます。検査が正常なのは、この疾患では当然のことです。臓器が壊れているのではなく、骨盤底の筋肉の緊張や、神経の過敏さ、そして長引く不安——それらが絡み合って症状を作っているからです。だから、抗生物質だけでは治りません。そして、一つの薬で全員が良くなることもありません。その方の症状の中心が何かを見極め、組み合わせていく。時間はかかりますが、方向性はあります。『気のせい』でも『一生このまま』でもありません。長く悩んでこられた方こそ、一度整理させてください。」
名古屋あおいクリニックのご案内
名古屋あおいクリニック 皮膚科・美容皮膚科・内科・泌尿器科・児童精神科・精神科
〒461-0005 愛知県名古屋市東区東桜2-4-1 第三コジマビル6階
【TEL】052-737-7117
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【ホームページ】https://www.nagoya-aoi-clinic.com/ 【Instagram】https://www.instagram.com/nagoya.aoi.clinic
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