アトピー性皮膚炎——「ステロイドは怖い」という誤解が、治療を遠回りにします。正しい塗り方・プロアクティブ療法・新しい治療の選択肢を名古屋あおいクリニック(名古屋市東区・皮膚科)が詳しく解説

アトピー性皮膚炎——「ステロイドは怖い」という誤解が、治療を遠回りにします。正しい塗り方・プロアクティブ療法・新しい治療の選択肢を名古屋あおいクリニック(名古屋市東区・皮膚科)が詳しく解説

「ステロイドは怖いと聞いて、なるべく使わないようにしている」「塗ると良くなるが、やめるとすぐ元に戻る」「何年も同じことを繰り返している」「かゆくて眠れず、朝には血がついている」「保湿はしているが、それだけでは追いつかない」「食べ物が原因ではないかと思い、いろいろ除去している」「ネットで見た民間療法を試したが、悪化した」——アトピー性皮膚炎は、情報が多すぎるがゆえに、正しい治療にたどり着けない疾患の代表です。

有病率は、**乳幼児・学童でおよそ1割、成人でも数%**とされ、決して珍しくありません。

そして、この記事で最もお伝えしたいことがあります。

「ステロイドは怖い」という思い込みが、多くの方の治療を遠回りにしています。

適切な強さの薬を、適切な量、適切な期間使えば、ステロイド外用薬は安全で効果的な薬です。問題が起きるのは、弱すぎる薬をだらだら使ったり、怖がって中途半端に塗ったりする場合です。

さらに近年は、ステロイド以外の塗り薬が複数登場し、中等症以上には注射薬や内服薬という選択肢も加わりました。治療の選択肢は、10年前とはまったく違います。

名古屋市東区(高岳駅・新栄町駅)の名古屋あおいクリニック皮膚科が、正しい塗る量、再発を防ぐ方法、そして新しい治療まで、詳しく解説します。


目次

  1. アトピー性皮膚炎とは——3つの要素で理解する
  2. 年齢による症状の違い【比較表】
  3. 悪化させる要因【比較表】
  4. 【最重要】「ステロイドは怖い」という誤解
  5. ステロイド外用薬の強さ——5段階のランク【比較表】
  6. 部位によって使う薬が違います【比較表】
  7. 【重要】塗る量の目安——FTUという考え方
  8. 【最重要】プロアクティブ療法——治ってからが本番です
  9. ステロイド以外の塗り薬【比較表】
  10. 保湿——治療の土台です
  11. かゆみへの対応
  12. 中等症〜重症の治療——注射薬・内服薬
  13. 注意すべき合併症【比較表】
  14. 【重要】食物アレルギーと除去食について
  15. 日常生活とスキンケア
  16. 【注意】民間療法・脱ステロイドについて
  17. よくある心配事Q&A
  18. 名古屋あおいクリニックでの診療について

1. アトピー性皮膚炎とは——3つの要素で理解する

アトピー性皮膚炎は、かゆみのある湿疹が、良くなったり悪くなったりを繰り返す疾患です。

その背景には、3つの要素があります。

① 皮膚バリア機能の低下

もともと皮膚のバリアが弱いという体質的な要素があります。

角層の構造に関わるタンパク質の働きが弱いことなどが知られており、水分が逃げやすく、外からの刺激が入りやすい状態になっています。

② 炎症

バリアが弱いために刺激やアレルゲンが侵入し、皮膚の中でアレルギー性の炎症が起こります。

③ かゆみ

炎症によってかゆみが生じ、掻くことでバリアがさらに壊れます。

悪循環が本質です

バリアが弱い → 刺激が入る → 炎症が起きる → かゆい → 掻く → バリアがさらに壊れる

この悪循環を、どこかで断ち切ることが治療です。

  • 炎症を抑える(外用薬)
  • バリアを補う(保湿)
  • かゆみを抑える(内服薬など)

この3つを組み合わせます。どれか一つでは足りません。


2. 年齢による症状の違い【比較表】

アトピー性皮膚炎は、年齢によって出る場所と見た目が変わります。

時期好発部位特徴
乳児期(2か月〜)顔、頭 から始まり、体幹・四肢へじくじくした湿疹。2か月以上続くことが診断の目安
幼小児期首、肘の内側、膝の裏、手首、足首乾燥が目立つ。掻き壊しによるごわつき
思春期・成人期顔、首、胸、背中などの上半身皮膚が厚く硬くなる(苔癬化)。色素沈着

成人のアトピーは「顔と首」が目立ちます

大人になってから顔や首の症状が強くなることがあります。

  • 人目につきやすい
  • 化粧やひげ剃りができない
  • 心理的な負担が大きい

「子どもの病気」ではありません。 成人になってから発症・再燃することもあります。


3. 悪化させる要因【比較表】

要因内容
乾燥冬季、エアコン、加齢
放置すると刺激に。ただし汗をかくこと自体は悪くない
摩擦・刺激衣類(ウール、化繊)、タオル、掻くこと
石けん・洗剤洗いすぎ、脱脂力の強い製品
ダニ・ハウスダスト寝具、カーペット
花粉季節性の悪化。顔・首に出やすい
ペット動物の毛・フケ
細菌黄色ブドウ球菌が皮膚で増えると悪化
ストレス・睡眠不足免疫やかゆみの感じ方に影響
気温・湿度の変化季節の変わり目
一部の食物明確なアレルギーがある場合のみ(第14章)

汗は「かかない」ではなく「流す」

汗をかくこと自体は悪くありません。 むしろ、汗をかく機能が保たれることは重要です。

問題は、汗を長時間放置することです。

  • 汗をかいたらシャワーで流す、濡れタオルで拭く
  • 着替える

**「汗をかかないようにする」ではなく、「かいた汗を早く流す」**が正解です。


4. 【最重要】「ステロイドは怖い」という誤解

この章が、この記事の核心です。

よくある誤解

  • 「ステロイドを使うと皮膚が黒くなる」
  • 「体に蓄積する」
  • 「一度使うとやめられなくなる」
  • 「使い続けると効かなくなる」
  • 「骨がもろくなる」

これらは、いずれも正確ではありません。

実際のところ

① 皮膚が黒くなるのはステロイドのせいではありません

黒ずみ(色素沈着)は、炎症を繰り返した結果です。

むしろ、炎症をしっかり抑えたほうが、色素沈着は残りにくくなります。

「ステロイドで黒くなった」のではなく、「炎症が長引いたから黒くなった」のです。

② 体に蓄積しません

外用薬として使う量では、全身への影響はほとんど生じません。

内服や注射のステロイドで問題になる副作用(骨粗鬆症、糖尿病など)は、外用では通常起こりません。

③ 実際にある副作用

外用ステロイドで注意すべきは、塗った部位の局所的な変化です。

  • 皮膚が薄くなる(皮膚萎縮)
  • 毛細血管が目立つ
  • 毛が濃くなる
  • 顔に長期間使った場合の酒さ様皮膚炎

これらは、強すぎる薬を、不適切な部位に、長期間、漫然と使った場合に生じます。

適切なランクを、適切な期間使えば、通常は問題になりません。

怖がって塗らないほうが、問題です

中途半端に塗ると、こうなります。

  1. 弱すぎる薬を、少量だけ塗る
  2. 炎症が治まりきらない
  3. すぐ再燃する
  4. また塗る
  5. だらだらと使い続けることになる
  6. 結果的に、総使用量は増える

「しっかり塗って、しっかり治す」ほうが、結果的にステロイドの使用量は少なくて済みます。

これが、現在の標準的な考え方です。


5. ステロイド外用薬の強さ——5段階のランク【比較表】

ステロイド外用薬は、強さによって5段階に分類されます。

ランク強さ主な使用部位
Ⅰ群ストロンゲスト(最も強い)手のひら・足の裏など、皮膚が厚い部位
Ⅱ群ベリーストロング体幹・四肢の強い炎症
Ⅲ群ストロング体幹・四肢
Ⅳ群ミディアム(マイルド)顔・首、乳幼児
Ⅴ群ウィークごく軽度、限られた場面

「弱い薬のほうが安全」ではありません

症状に対して弱すぎる薬を使うと、炎症が抑えられず、結果的に長期使用になります。

必要な強さの薬で、短期間でしっかり治す。 これが最も安全な使い方です。

強さは、医師が部位と症状で決めます

同じ人でも、顔と体では違う薬を使います。

「以前もらった薬が余っているから、別の場所に塗る」——これは避けてください。 部位によって適切な強さが異なります。


6. 部位によって使う薬が違います【比較表】

皮膚の厚さと吸収率は、部位によって大きく異なります。

部位薬の吸収されやすさ使う薬の目安
顔・首吸収されやすい弱め(Ⅳ群)、または非ステロイド薬
まぶた最も吸収されやすい弱め、短期間。眼科的な注意も必要
体幹中程度Ⅱ〜Ⅲ群
腕・脚中程度Ⅱ〜Ⅲ群
手のひら・足の裏最も吸収されにくい強め(Ⅰ〜Ⅱ群)
陰部吸収されやすい弱め、短期間

顔にはステロイド以外の選択肢も

顔・首は、ステロイドの副作用が出やすい部位です。

そのため、**ステロイド以外の外用薬(第9章)**が特に有用です。当院では、部位に応じて使い分けをご提案しています。


7. 【重要】塗る量の目安——FTUという考え方

「どのくらい塗ればよいのか分からない」——最も多いご質問です。

そして、ほとんどの方が「塗る量が少なすぎます」。

FTU(フィンガー・チップ・ユニット)

大人の人差し指の先端から第一関節まで、チューブから薬を出した量——これが1FTU(およそ0.5g)です。

1FTUで、大人の手のひら2枚分の面積に塗ることができます。

部位ごとの目安(大人)

部位必要な量の目安
顔・首約2.5FTU
片腕約3FTU
片脚約6FTU
体の前面約7FTU
体の背面約7FTU

塗った後の目安

「ティッシュペーパーが軽くくっつく程度」——これが十分に塗れているサインです。

「すり込む」のではなく、「のせる」ように塗ってください。

なぜ量が重要か

少なすぎると、効果が出ません。

そして「効かないから」と長期間使い続けることになり、かえって総使用量が増えます。

適量をしっかり塗って、短期間で治すことが、最も安全です。


8. 【最重要】プロアクティブ療法——治ってからが本番です

この考え方を知っているかどうかで、その後が大きく変わります。

従来のやり方(リアクティブ療法)

  1. 湿疹が出る
  2. ステロイドを塗る
  3. 良くなったらやめる
  4. しばらくすると再燃する
  5. またステロイドを塗る

これを延々と繰り返します。

プロアクティブ療法

  1. 湿疹が出る
  2. しっかり塗って、完全に治す
  3. 見た目がきれいになった後も、週2回程度、外用を続ける
  4. 保湿は毎日続ける
  5. 再燃しにくくなる
  6. 状態を見ながら、徐々に間隔をあけていく

なぜ効くのか

見た目がきれいになっても、皮膚の中では炎症がくすぶっています。

ここで完全にやめると、残った炎症が再び広がります。

間欠的に外用を続けることで、この「見えない炎症」を抑え込み、再燃を防ぎます。

結果的に、薬の使用量は減ります

「良くなってからも塗る」と聞くと、薬を多く使うように思えます。

しかし実際には、

  • 再燃の回数が減る
  • 悪化時の強い治療が不要になる
  • 長期的な総使用量は減る

これは、現在のガイドラインでも推奨されている標準的な方法です。

「良くなったら、どうすればいいですか」

この質問を、必ず診察でしてください。

やめ方まで含めて指示を受けることが、アトピー治療の要です。


9. ステロイド以外の塗り薬【比較表】

近年、ステロイド以外の外用薬が複数登場しています。

薬剤特徴使用上の注意
タクロリムス軟膏顔・首に特に有用。 皮膚萎縮などのステロイド特有の副作用がない使い始めにほてり・ヒリつき(多くは数日〜1週間で軽減)。2歳以上
デルゴシチニブ軟膏かゆみと炎症に作用する新しいタイプ(2020年)生後6か月から使用可能。使用量に上限あり
ジファミラスト軟膏炎症を抑える別の仕組み(2022年)生後3か月から使用可能。比較的刺激が少ない

選択肢が広がりました

特に「顔にステロイドを使いたくない」という方にとって、これらは有力な選択肢です。

ただし、

  • 急性期の強い炎症には、まずステロイドで抑えるほうが効率的なことが多い
  • 落ち着いてから、これらの薬に切り替える・維持に使う

という組み合わせが一般的です。

**「ステロイドか、それ以外か」ではなく、「時期と部位によって使い分ける」**とお考えください。


10. 保湿——治療の土台です

保湿は「補助」ではありません。治療の土台です。

なぜ重要か

アトピー性皮膚炎の根本にはバリア機能の低下があります。

保湿剤は、そのバリアを外から補います。

  • 炎症が起きにくくなる
  • 外からの刺激が入りにくくなる
  • ステロイドの使用量を減らせる
  • 乳児期からの保湿が、発症予防に寄与する可能性も指摘されています

塗り方

  • 1日2回以上(入浴後は特に重要)
  • 入浴後、5〜10分以内
  • たっぷりと(ティッシュが軽くつく程度)
  • 症状がない場所にも塗る
  • 調子がよくても、やめない

「良くなったから保湿もやめる」が最も多い失敗です

保湿は、症状の有無にかかわらず続けるものです。

これが再燃予防の基本になります。


11. かゆみへの対応

かゆみの悪循環

かゆい → 掻く → バリアが壊れる → 炎症が悪化 → もっとかゆい

この輪を断つ必要があります。

対応

  • 炎症を抑える(これが最も効果的です)
  • 抗ヒスタミン薬の内服(補助的。かゆみを完全には止められません)
  • 冷やす(保冷剤をタオルで包んで当てる)
  • 爪を短く切る
  • 寝るときに綿の手袋
  • 熱いお湯、長風呂を避ける
  • 掻き壊しやすい部位は、衣類で覆う

「掻くな」では止まりません

特にお子さまに「掻いちゃダメ」と言い続けるのは、効果がないばかりか、ストレスになります。

かゆみそのものを減らすこと——つまり、炎症をしっかり抑えることが、最も有効な「掻かせない方法」です。

夜間のかゆみ

睡眠中の掻破は、本人にはコントロールできません。

朝、シーツや爪に血がついている——これは治療が足りていないサインです。 ご相談ください。


12. 中等症〜重症の治療——注射薬・内服薬

塗り薬では十分にコントロールできない場合、全身療法という選択肢があります。

生物学的製剤(注射薬)

アレルギー性の炎症に関わる特定の物質の働きを、ピンポイントで抑える薬です。

  • 2018年以降、複数の薬剤が登場しています
  • かゆみに特に効果を示すものもあります
  • 数週間ごとの注射

JAK阻害薬(内服薬)

炎症の信号を細胞内で抑える内服薬です。効果の発現が早いことが特徴です。

  • 定期的な血液検査によるモニタリングが必要
  • 感染症などのリスクに注意

適応と注意点

これらは、中等症〜重症で、既存の治療で十分な効果が得られない場合に検討されます。

  • 一定の要件があります
  • 費用が高額になるため、高額療養費制度などの活用も含めてご説明します
  • 定期的な検査が必要です

当院での対応内容については、診察の際にご相談ください。 適応が考えられる場合、必要に応じて専門医療機関へのご紹介も行います。

「もう塗り薬しかない」という時代ではありません。 諦める前に、ご相談ください。


13. 注意すべき合併症【比較表】

アトピー性皮膚炎では、皮膚のバリアが弱いために感染症を起こしやすくなります。

合併症特徴対応
とびひ(伝染性膿痂疹)黄色いかさぶた、水疱。細菌感染抗菌薬が必要
カポジ水痘様発疹症急速に広がる小さな水疱、発熱。 ヘルペスウイルスによる速やかな受診が必要
伝染性軟属腫(水いぼ)光沢のある小さなぶつぶつ経過観察または処置
眼の合併症白内障、網膜剥離顔を強く掻く・叩く癖がある方は注意
皮膚の色素沈着・苔癬化慢性的な炎症と掻破の結果炎症のコントロールで予防

【重要】急に広がる水疱・発熱があれば、すぐに受診を

カポジ水痘様発疹症は、単純ヘルペスウイルスがアトピーの皮膚に広がることで起こります。

  • 小さな水疱やくぼみのある発疹が急速に広がる
  • 発熱、リンパ節の腫れを伴う
  • 痛みが強い

進行が早く、抗ウイルス薬による治療が必要です。

「いつもの湿疹の悪化」と自己判断せず、速やかに受診してください。

顔を掻く・叩く癖にご注意

顔面、特に目の周囲を強く掻いたり叩いたりする習慣は、白内障や網膜剥離のリスクと関連することが知られています。

顔のかゆみをしっかりコントロールすることは、目を守ることでもあります。


14. 【重要】食物アレルギーと除去食について

保護者の方が最も迷われるテーマです。

原則として、除去食は推奨されません

「アトピーだから、卵・牛乳・小麦を除去する」——これは、明確な食物アレルギーが証明されていない限り、行うべきではありません。

理由

  • 多くのアトピー性皮膚炎は、食物が主な原因ではありません
  • 不必要な除去は、成長に必要な栄養を損ないます
  • かえって、その食物に対するアレルギーを発症しやすくなる可能性が指摘されています
  • 家族の負担が非常に大きい

血液検査の数値だけで判断しません

「血液検査で陽性だから除去」も適切ではありません。

検査で陽性でも、実際に食べて症状が出ないことは非常に多くあります。

正しい順序

  1. まず、皮膚の治療をしっかり行う
  2. それでも改善しない、または食べた直後に明らかな症状が出る場合
  3. 専門的な評価を行う(必要に応じて医療機関で確認)
  4. 確認されたものだけを、必要最小限、除去する

皮膚を治すことが、食物アレルギーの予防にもなります

荒れた皮膚から食物の成分が侵入することが、アレルギー発症のきっかけになると考えられています。

つまり、皮膚をきれいに保つことが、食物アレルギーの予防にもつながります。

「食べ物を除去する前に、まず皮膚を治す」——これが現在の考え方です。


15. 日常生活とスキンケア

入浴

  • 毎日入る(汚れ・汗・細菌を落とすことは治療の一部です)
  • ぬるめのお湯(38〜40℃程度)。熱いお湯はかゆみを増します
  • 長風呂を避ける
  • 石けんは泡立てて、手でやさしく洗う
  • ナイロンタオルでこすらない
  • すすぎ残しに注意
  • 入浴後5〜10分以内に保湿

衣類

  • 綿素材を選ぶ
  • ウール、化繊のチクチクする素材を避ける
  • タグを取る
  • 洗剤はすすぎをしっかり
  • 柔軟剤が刺激になることも

環境

  • ダニ対策(寝具の洗濯・乾燥、掃除)
  • 適度な湿度(冬は加湿)
  • 汗をかいたら流す
  • 爪を短く

心理面

見た目の悩み、かゆみによる睡眠不足は、生活の質を大きく損ないます。

  • 学校や職場での視線
  • プールや温泉をためらう
  • 眠れないことによる日中の不調
  • 周囲の無理解

「たかが皮膚」ではありません。 つらさを感じておられることも、診察でお話しください。


16. 【注意】民間療法・脱ステロイドについて

この点は、率直にお伝えします。

インターネット上には、アトピー性皮膚炎に関する情報があふれています。中には、

  • 「ステロイドを一切使わずに治す」
  • 特定のサプリメント、化粧品、温泉、食事療法
  • 「毒を出す」という考え方

——といった内容もあります。

「脱ステロイド」のリスク

ステロイドを急にやめると、強い反動(リバウンド)が起こることがあります。

  • 全身に激しい皮疹が広がる
  • 眠れないほどのかゆみ
  • 感染症の併発
  • 入院が必要になることも

そして、その苦しい期間を「毒が出ている」と説明されることがありますが、それは炎症の悪化です。

高額な自費治療にご注意

科学的な裏付けが乏しい治療に、多額の費用を費やされた方を、私たちは何度も見てきました。

その間に症状は悪化し、色素沈着や皮膚の肥厚が残ってしまうこともあります。

迷ったら、相談してください

「ステロイドを使いたくない」というお気持ちは、否定しません。

その気持ちを前提に、どういう選択肢があるかを一緒に考えます。 実際、ステロイド以外の外用薬も、注射薬も、以前より選択肢は増えています。

一人で情報の海で迷う前に、まずご相談ください。


17. よくある心配事Q&A

Q. ステロイドを使い続けると、皮膚が黒くなりませんか?

A. 黒ずみは炎症を繰り返した結果であり、ステロイドのせいではありません。 むしろ、炎症をしっかり抑えたほうが色素沈着は残りにくくなります。

Q. どのくらい塗ればよいのか分かりません。

A. 多くの方は少なすぎます。 目安は「ティッシュペーパーが軽くくっつく程度」です。人差し指の先から第一関節まで出した量(1FTU)で、大人の手のひら2枚分が目安になります。

Q. 良くなったら、やめてよいですか?

A. 急にやめると再燃します。 見た目がきれいになっても、皮膚の中では炎症がくすぶっています。**週2回程度の外用を続ける「プロアクティブ療法」**によって、再燃を防げます。やめ方は診察で一緒に決めましょう。

Q. 保湿だけで治りませんか?

A. 炎症が起きている段階では、保湿だけでは足りません。 まず炎症を抑え、そのうえで保湿で維持する——この順序が必要です。ただし保湿は、治療の土台として欠かせません。

Q. 食べ物の除去は必要ですか?

A. 明確な食物アレルギーが証明されていない限り、原則として不要です。 不必要な除去は成長に影響し、かえってアレルギーを発症しやすくする可能性も指摘されています。まず皮膚の治療を優先してください。

Q. 血液検査で卵が陽性でした。やめるべきですか?

A. 検査の陽性だけでは判断できません。 陽性でも、実際に食べて症状が出ないことは多くあります。自己判断で除去せず、ご相談ください。

Q. 顔にステロイドを塗るのが不安です。

A. お気持ちは分かります。顔には弱めのランクを使い、期間を限定します。 また、顔に適したステロイド以外の外用薬もありますので、そちらへの切り替えもご提案できます。

Q. 大人になってから発症することはありますか?

A. あります。 成人期に発症・再燃するケースは珍しくありません。顔や首に症状が出やすく、心理的な負担も大きくなります。

Q. 塗り薬では良くなりません。他に方法はありますか?

A. 注射薬や内服薬という選択肢があります。 中等症〜重症で既存治療の効果が不十分な場合に検討されます。「塗り薬しかない」時代ではありません。

Q. 急に水疱が広がり、熱が出ました。

A. 速やかに受診してください。 カポジ水痘様発疹症の可能性があり、抗ウイルス薬による治療が必要です。「いつもの悪化」と自己判断しないでください。


18. 名古屋あおいクリニックでの診療について

名古屋市東区・高岳駅から徒歩4分の**名古屋あおいクリニック(皮膚科・美容皮膚科・内科・泌尿器科・児童精神科・精神科)**では、アトピー性皮膚炎の診療に対応しています。

当院での対応内容

  • アトピー性皮膚炎の診断と重症度の評価
  • 部位・年齢・症状に応じたステロイド外用薬の選択
  • 正しい塗り方・塗る量の具体的な指導
  • プロアクティブ療法による再燃予防
  • ステロイド以外の外用薬(タクロリムス、デルゴシチニブ、ジファミラストなど)の使い分け
  • 保湿剤の選択と指導
  • かゆみに対する内服治療
  • とびひ・カポジ水痘様発疹症など合併症の診断と治療
  • 他の皮膚疾患との鑑別
  • 食物アレルギーに関するご相談(不必要な除去を避けるための助言)
  • 中等症〜重症例における全身療法に関するご相談
  • 必要に応じた専門医療機関へのご紹介
  • 学校・職場向けの診断書の作成

こんな方はぜひご相談ください

  • 塗ると良くなるが、やめるとすぐ戻る
  • 何年も同じことを繰り返している
  • ステロイドが怖くて、しっかり使えていない
  • どのくらい塗ればよいか分からない
  • かゆくて眠れない、朝に血がついている
  • 顔や首の症状が強く、人目が気になる
  • 保湿だけでは追いつかない
  • 食べ物の除去をすべきか迷っている
  • 大人になってから悪化した
  • 民間療法や自費治療を検討している、または続けている
  • 塗り薬で効果が不十分で、他の選択肢を知りたい

「アトピーの診療で最も多いのは、『ステロイドが怖くて、中途半端にしか塗れていない』というケースです。少なく塗って治りきらず、だらだら使い続ける。これが最も遠回りで、結果的にステロイドの総量も増えてしまいます。しっかり塗って、しっかり治し、そのうえで再燃しないように維持する。この順序が守られると、多くの方の状態は安定します。そして今は、ステロイド以外の塗り薬も、注射も内服もあります。選択肢は10年前とはまったく違います。不安なお気持ちごと、ご相談ください。」


名古屋あおいクリニックのご案内

名古屋あおいクリニック 皮膚科・美容皮膚科・内科・泌尿器科・児童精神科・精神科

〒461-0005 愛知県名古屋市東区東桜2-4-1 第三コジマビル6階

【TEL】052-737-7117

【診療時間】 10:30~13:30 14:30~19:00

【休診日】不定休

【アクセス】 高岳駅より徒歩4分 新栄町駅より徒歩5分

【ホームページ】https://www.nagoya-aoi-clinic.com/ 【Instagram】https://www.instagram.com/nagoya.aoi.clinic

オンライン予約はホームページより24時間受け付けております。 皆さまのご来院を心よりお待ちしております。

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名古屋あおいクリニック 皮膚科・美容皮膚科・内科・泌尿器科・児童精神科・精神科

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